出典:番組HP
NHKプロフェッショナル仕事の流儀では、青森県にある国の重要文化財、弘前城天守を移動する大工事に密着するそうです。その移動に欠かせないの が、500年以上前から続く伝統技術「曳家」です。色々なシーンで使われる技術ですが、お城を動かすのは100年ぶりとのことで、大変注目されました。今 日はその工事の責任者の石川憲太郎さんについて調べました。
石川さんと我妻組(わがつまぐみ)プロフィール
石川さんですが、現在40歳。出身高校は置賜農業高校で、山形の曳家専門の工事会社の我妻組で取締役工事部長の要職にあります。彼の勤務する我妻組の概要は以下です。
社 名 株式会社 我妻組
所在地 山形県米沢市成島町2丁目1-30
TEL:0238-23-4297 (代) FAX:0238-23-4295
創 業 昭和36年6月1日
代表取締役 我妻 悦雄
従業員数 20名出典:我妻組HP
仙台や盛岡、埼玉にも営業所があるようです。
曳家ってこんな感じ
曳 家とは、土地区画整理や道路拡張計画で移動を余儀なくしなければならなかったり、敷地の有効利用のため移動する場合、低い基礎を高くしたい場合に行う工事 だそうです。文字通り、一回家を持ちあげて、曳いています。新築するより工事費用が3分の一程度済むそうです。一般の家はもちろんこと、ビル・神社仏閣・ 重要文化財・巨木など、色々なシーンで使われる工法です。
今回工事を行った弘前城のある弘前市のプロモーションサイトに曳家工事のダイジェストがありましたので紹介させていただきます。
弘前城の曳家工事は大変だった!
今 回の弘前城天守の曳家は、城の真下の石垣が老朽化し、崩落の危険があるため、改修工事が必要になったことから始まったそうです。築200年のため設計図は 残っておらず、構造が分からない状態。老朽化の激しい中、無傷で動かす必要があります。今回の工事は我妻組の5人の職人さんが7月から準備をし、8月16 日からスタート。炎天下での工事は困難を極めたそうですが、無事のに乗りきりました。石川さんはインタビューで以下のように語っています。
我 妻組・石川憲太郎工事部長「初めてこの工事で弘前城を見させていただいたんですけども、壮大さ・目に見てこれはすごいねと改めて恐縮、どうしようかなと 思ったんですけども、やはり、周りの地域の方がものすごく弘前城を愛されていまして、弘前城を無事動かしてくれとか、お願いしますという温かい声がけがあ りましたんで、徐々にバロメーターが上がっていったというかこれはやるしかないと奮い立たせていった」
それだけすごいことだったんですね。工事中に石川さんの母方の祖母が86歳で亡くなったそうですが、葬儀に出ずに頑張ったそうです。大工事の裏には色々な人間ドラマがあります。
曳家をお願いできる?もっと知りたい人は?
石川さんの勤務する我妻組は曳家専門で、一般の家とかもやってくれるみたいです。建て直すよりは安いみたいなので、興味のある方は問い合わせるのもいいかもしれません。
前述のとおり、仙台・盛岡・埼玉にも営業所があるので、東日本にお住いの方はカバーしていると思います。また、googleで「曳家」と検索すると何社か出てきますね。そういった会社を利用してみてはいかがでしょうか?
また、曳家についての本が出ています。曳家について知りたいと思った方は、読んでみてはどうでしょうか?
まとめ
伝 統技術は技術の継承の難しさなど色々な課題も抱えていると思いますが、現代的な工法を取り入れながら進化しています。若い後継者がどんどん出てきてくれる といいですね。ちなみに工事はその後、石垣の改修を10年ほどかけて実施するそうで、2021年には元に場所に曳きなおす予定です。今後も楽しみです。