世の中、IT化だの自動化だのロボット化だの、人手をかけずにビジネスや生活を進めることが増えていますが、まだまだ人力ではないとダメな技術はた くさんあるそうです。熟練の職人さんの手先は、機械よりも正確な場合もあると聞いたことがありますが、今日はそんな職人のひとり、葛原幸一さんが、NHK プロフェッショナル 仕事の流儀で取り上げられるとのことで調べてみました。
プロフィール
葛原さんは現在69歳。職人歴49年。川崎重工の造船所でずっとその腕を磨いてきました。現在は株式会社坂出エースに勤務。川重グループですね。川重坂出 サービス株式会社に出向している平成14年に現代の名工に選ばれていたり、内閣総理大臣表彰の「ものづくり日本大賞」も受賞しています。受賞した際には、 四国陸運局で起きた出来事のトピックスにもなりました。その技術は秀逸で、葛原さんはこの業界では「ぎょう鉄の達人」と呼ばれ、本場イギリスでは「キン グ」と呼ばれてます。いままで300隻もの造船関わってきたそうです。
ちなみにご家族の情報は、どんな感じかなと思って調べましたが、わかりませんでした。69歳ということで、お子さんがいらっしゃれば、お孫さんもいるのかなという感じですかね。
どれくらいすごいの?
『ぎょ う鉄 「 撓鉄 」 と書く』とは、は鉄を撓(たわ)めることです。その技術で船の曲線部分を造っていくのですが、造船技能の中でも最も難しいそうです。鉄の厚板をガスバー ナーで加熱すると同時に水で冷却を行い、繰り返し膨張・収縮させることにより、曲げ・捻り加工をしていくという工程なのですが、なんと葛原さんはそれを±2ミリの高精度で流線型に仕上げることが出来るそうです!曲げる鉄板の厚さは、20mmから、厚くなると90mmとくらいとのこと。水と火力だけで、鉄の曲がり具合を計算しながら作業をするのだと思いますが、それを聞いただけでも難しそうです。
葛原さんの作業風景です。
出典:https://wwwtb.mlit.go.jp/shikoku/bunya/koukyou/img/topics.pdf
で、その作業の完成系。この曲げをつくるのは圧巻です。このカーブの具合によって船のスピードなどが変わって来るらしいです。
まとめ
国 内立地を継続しつつ、世界に供給される船舶の1/3 の建造を担っており、質・量ともに世界トップレベルを維持しているそうです。資源の運搬などには欠かせない船舶の製造は、国際競争力のある日本の世界に誇 れる産業のひとつであることがわかります。長らく不況だった造船業が、再び好景気になりつつありますが、その好況を機械化が困難な作業を長年の経験と勘に より行う熟練技能者の存在が支えているんですね。
番組では、その紹介文に「人生最大の試練にぶつかった。誇りをかけた140時間の真剣勝負に密着。」とあるので、なかなかきちんと曲がらない鉄を相手に、長年の経験で挑む模様が映されると思いますが、どのように切り抜けるのか楽しみです。