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子供の食事で塩分摂取量は1日何グラムまで?控えるための工夫を教えます!

塩分の摂り過ぎ=健康に良くないということは、誰もが知っている常識になりつつあります。「塩分控えめ」「減塩」「塩分◯パーセントカット」と書かれた商品が、スーパーのいたる所に置いてありますよね。

なぜ塩分を控えた方が良いのかというと、塩分の過剰摂取が高血圧に大きく関連することが様々な研究から明らかになっているからです。高血圧は自覚症状があまりありませんが、放っておくと脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしたり、腎臓に悪影響を及ぼします。

では、子供においてはどうなのでしょうか。幼児食・離乳食のテキストではやはり薄味が推奨されていますが、実際どれくらい摂っても問題ないのでしょうか。子供の塩分摂取について、まとめました。

子供の塩分摂取量のめやす

2015年に厚生労働省が出した「日本人の食事摂取基準」における、1日のナトリウム(食塩相当量)目標値がこちらです。

年齢 男性 女性
1~2歳 3.0(未満)g/日 3.5(未満)g/日
3~5歳 4.0 4.5
6~7歳 5.0 5.5
8~9歳 5.5 6.0
10~11歳 6.5 7.0
12~14歳 8.0 7.0
15~17歳 8.0 7.0

塩小さじ1杯が約5gですから、1日に摂取してもよい食塩量は大変少ないということが分かります。

なぜ子供が塩分を取りすぎると良くないのか

WHOが2014年に発表した塩分摂取のガイドラインによると、小児においても減塩によって血圧の上昇を抑えられることが多くの試験で明らかになっています。

また塩分の過剰摂取による高血圧は、肥満の子供により顕著に見られるというデータもあります。味覚は3歳までに形成されると言われていますが、近年味の違いが分からない「味覚異常」の子供が増えています。

濃い味に慣れて味覚が鈍くなり、塩分の多い食事を摂り続ければ、生活習慣病を引き起こすことが考えられます。このことからも、子供の食事は塩分を控えめにした薄味の方がよいと言えるでしょう。

塩分を控えるための工夫

では、塩分を控えるために、子供の食事においてどのような工夫ができるでしょうか。日々の食事で心がけたいことを4つご紹介します。

1.出汁や酸味、玉ねぎなどの野菜や茸を活用し、ソース・ケチャップ・醤油といった調味料を控える

昆布・かつお・干し椎茸などの出汁は旨味が多く、加える調味料の量を減らしてくれます。昆布は切り込みを入れて一晩水につけておけば美味しい昆布水ができますし、干し椎茸も、水と一緒に冷蔵庫に入れておくだけで旨味たっぷりの戻し汁になります。かつおぶしは熱湯を注ぐだけです。出汁を摂るのは案外簡単ですが、それでも時間がない場合は無塩・無添加のだしの素を使いましょう。

また酢やレモンのような酸味を効かせることで、少ない塩分でも満足感を得ることができます。玉ねぎや白菜、大根などの野菜や茸には天然の旨味がたくさん含まれていますので、お味噌汁やスープを作る材料に加えて味付けを薄くしましょう。野菜の甘みを感じることができる子供に育てたいですね。

2.食肉加工食品・スナック菓子・パンをできるだけ控える

ウィンナーやハムが好きな子供は多いですが、100gあたりのナトリウム量はそれぞれ730mg、880mgと大変多いので注意が必要です。生肉を使えば添加物の心配もありません。ポテトチップスなど市販のスナック菓子にも塩分や化学調味料が多く使われているので、与える量に気をつけなければなりません。

また意外とナトリウム量が多いのがパンです。100gあたり食パン500mg、フランスパン620mg、クロワッサンでは470mgもの含有量になるので、パンを主食にする場合は他の品目に使う塩分を控えめにしましょう。

3.外食では塩分の少ないメニューを選ぶ

お出かけした時や料理をする気になれない時など、外食をする機会は必ずあるでしょう。その際気をつけたいのがメニューの選び方です。丼ものなどの単品や寿司、ラーメンなどの麺類は塩分が多いため、子供の食事には向きません。

選ぶならば、定食や鍋物が栄養のバランスが良く比較的塩分摂取を抑えることができます。やむを得ず単品や麺類を食べる場合は、サラダなどを別に注文したり、汁を残すようにしましょう。

4.カリウムを摂取する

野菜や果物に多く含まれるカリウムは、体内のナトリウムを排出して血圧を下げる働きをします。野菜では切り干し大根、ほうれん草、きゅうり、枝豆など、果物ではバナナ、アボカド、りんご、キウイフルーツ、またわかめにも多く含まれています。外食時にこれらの品目を摂るように心がけたり、毎日のおやつに果物を食べるようにしましょう。

まとめ

子供の健やかな成長を願わない親はいません。毎日の食事で知らず知らずのうちに我が子を生活習慣病のリスクにさらしているとしたら、本当に悲しいことです。まずは「塩分を控える」ことを意識し、できることから取り入れていきましょう。

参考文献

・「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書 平成26年3月 厚生労働省

http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000083869.pdf

・生活習慣病オンライン

http://www.sageru.jp/index.html

・Guideline: Sodium intake for adults and children, World Health Organization

http://apps.who.int/iris/bitstream/10665/77985/1/9789241504836_eng.pdf?ua=1&ua=1

・食品成分データベース 文部科学省
http://fooddb.mext.go.jp/index.pl

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