子どもの描いた絵で、その心理状態がわかるというのを聞かれたことはありませんか?昔、紫の色を使って絵を描く子どもは、心に闇を抱えていると聞いたことがありました。黒や灰色と言った暗い色は、大人が描く絵の色使いとしても心理状態はどうなのかなと思ってしまいます。では今回は、子どもの絵で心理状態がわかるのか、分析出来る傾向は何か、を取り挙げてみたいと思います。
絵の色、バランス、線の心理状態
色には多くの種類がある訳ですが、大きく分けますと暖かい、明るい色か、寒い、暗い色かに分かれます。暖かい、明るい色を選びと言う心理状態は、前向きで活力があって外向的と言えますし、寒い、暗い色を選ぶと言う心理状態は、その反対で後ろ向きで冷静で内向的と言えます。
こうしたことは、無意識にそういう色を選んでしまうんですね。そこで我が子がどういう色を使って絵を描いているだろうかと心理状態の判断材料になります。また、色だけでく、絵のバランス、大きな画用紙に片隅に小さく描いてるとか、描いているものが少なかったり。または、描く線にも表れます。
直線が多いのか、ギザギザが多いのか、丸いものが多いのか、で分かれますね。丸が多いというのは、心が充実していてとても機嫌が良いと判断されます。ですが、ギザギザや三角などの尖ったものが多い時は、何かの子どもなりのサインかも知れません。何でもない子どもの絵ですが、ご家族はしっかりと受け止めてあげなければなりません。
子どもが描く絵の色彩分析
では、具体的に色彩の心理状態の分析を見てまいりましょう。丁度、簡潔に色別の心理を紹介されているものがありましたので、こちらを引用いたします。
- 赤色・・・エネルギーが強い・活動的・自己主張が強い
- 黄色・・・人気・元気・目立ちたい
- ピンク色・・・ソフト・ロマンチスト
- オレンジ色・・・おおらか・温かい
- 青色・・・冷静・慎重
- 茶色・・・劣等感・保持的
- 緑色・・・マイペース・リラックスしたい心理
- 紫色・・・焦り・病気
- 黒色・・・不安感・恐怖
やはり暖色系と寒色系に分かれますよね。男子と女子でも分かれます。やっぱり明るい色を選びたがるのは女の子で、青や緑が多いのが男の子です。描く絵のデザインも、例えば公園を描くとしてその中の木は茶色となるはずなのに、そこを紫や黒を選んでしまったとするとその心理状態を考える必要があります。
子どもが描く絵の表現分析
1枚の絵の中の表現としてどうなのかという分析をしてみましょう。線や形での表現は先に描きました通りです。また、絵の中の空の表現ですね。雨なのか雷なのか暗い雲なのか、このことも何か不安を抱えていると分析します。子どもが何の不安もない状態とすれば、絵の中の空は青く、明るい色のお日様が描かれるのが普通です。
もう1つは背景をどのように描くかです。たまに幼稚園児の絵の中で、ポツンと人物だけ、動物だけというのがあります。どういう心理状態かと言いますと、日々の生活の中でひとりぼっちを感じていることの表れと分析します。
あとがき
このように1枚の子どもの絵から家族でいろいろと話し合うという場にしていくことは、とても大事なことだと私は思います。その時にもし寂しい感じの絵を描いていたとすれば、「どうしてこんなに暗いの」「絵が寂しくない」などストレートに話すのではなく、その時の気持ちはどうだったのかを優しく聞いてあげましょう。
友達との関係がどうなのかを聞くことも必要ですね。そこにいじめがないかどうか、1枚の子どもの絵は、子どもからのSOSかも知れません。どうぞお絵かきの変化に敏感になることは、お子さんにとって後々安心感に変わるものになると思うのです。
そこまで家族が見てくれているというのは、深い愛情を感じるはずです。暗い絵を描いていても、少しずつ変わっていくのではないでしょうか。お子さんの明るい絵は明るい笑顔に繋がりますよね。
また、判断にあたっては自分だけで決めつけず、専門機関に相談することも併せて考えていただきますよう、よろしくお願い致します。