味噌といえば醤油と同じく日本古来からある大豆から作った発酵食品です。タンパク質が豊富で発酵しているから乳酸菌がいるということで腸内環境を良好にしたり、代謝を高めるということで健康食品の一つとしても扱われていますよね。
たとえば、朝の味噌汁は毒消しになるというほど味噌汁は体に良いものというイメージが強いです。そんな、味噌汁ですが実はダイエットに良いものであるともいわれているのです。脂肪燃焼味噌汁というものもあるぐらいですからね。そこでこちらでは味噌汁をどのようにすればダイエットに活用することができるのか?
また、味噌汁のカロリーや健康成分。そしてダイエットを行うに当たっての注意点を説明したいと思います。確かにダイエットや健康に良いものではありますがある注意点を守らないで実践すると全く逆効果どころか健康を崩すことにもなりかねません。
味噌汁のカロリーや栄養成分について。
では、味噌汁のカロリーや栄養素はどれぐらいなのでしょうか?ダイエットを考えているのであれば当然この辺は気になるところでしょう。はい、ご想像の通りかなり低いです。142g(1杯)あたり43kcalしかございません。ただこれはあくまでもわかめと豆腐の味噌汁での計算です。具次第ではもっとカロリーが高くも低くもなります。
三大栄養素はどうかといえば、タンパク質(3.61g)、脂質(1.73g)、炭水化物(3.44g)となります。特に高タンパクでもなければ別に太りそうなイメージでもないという感じでしょうかね。
わかめと豆腐の味噌汁(142g) | |||
ビタミン | ミネラル | ||
ビタミンA | 13.02μg | ナトリウム | 577.9mg |
ビタミンE | 0.11mg | カリウム | 247.8mg |
ビタミンK | 18.12μg | カルシウム | 65.62mg |
ビタミンB1 | 0.04mg | マグネシウム | 41.92mg |
ビタミンB2 | 0.06mg | リン | 69.52mg |
ナイアシン | 1.26mg | 鉄 | 0.65mg |
ビタミンB6 | 0.04mg | 亜鉛 | 0.31mg |
ビタミンB12 | 0.3μg | 銅 | 0.09mg |
葉酸 | 17.88μg | マンガン | 0.11mg |
パントテン酸 | 0.09mg | ヨウ素 | 1.58μg |
ビオチン | 2.26μg | セレン | 1.85μg |
ビタミンC | 0.77mg | クロム | 0.68μg |
モリブデン | 18.11μg |
そのほかに、食物繊維が1.14g、食塩が1.48gとなっております。成分表をみたところそこまで栄養価が高い食品ではないのかな?というイメージです。ダントツに多いのはビタミンK、モリブデンです。モリブデンは脂質、糖質の代謝の補助を行いますがそれ以外はダイエットに有効な成分は多くないですね。
味噌というのは特別タンパク質も多く含まれているわけでもありません。では大豆の抗酸化物質であるイソフラボンはどうかといえばそんなには多く1杯あたりで6gしかございません。それであれば豆乳を飲んだほうが手っ取り早いし栄養価も高いです。けれども、サポニンはどうでしょうか?
味噌の主成分であるといわれているぐらいですから凄いんでしょうね。と思いましたが実際のところ0.07%しか含まれていませんのでそんなに多くはないです。それであれば、大豆や高野豆腐を食べたほうが早いです。では、脂肪燃焼や筋肉を作るという部分で素晴らしい効果を発揮してくれるというBCAAというアミノ酸が多いという話は…
はい、これもそうなのですが確かにBCAAは含まれています。けれども含有量がそんなに多くはないです。アミノ酸スコアが高くても量が多くなければ実際のところは意味がないです。これを考えても味噌汁の健康効果というのはどうなのか?と疑問に思えてくる節はあります。
味噌汁ダイエットの効果効能と実践方法について。
確かに栄養価はそんなに高くはないですが味噌汁ダイエットの実践方法次第ではダイエット効果を得ることは不可能ではございません。まずダイエット効果を高めたいのであれば味噌汁の具剤として、豆腐、魚、わかめ、人参、ごぼう、キャベツ、ネギ、といったものを入れることです。
加熱を行いますが具を入れることによってある程度栄養価を高めることができます。特にごぼうは食物繊維が多いのでそれによって腸内環境を改善する手助けができますし、タンパク質においてはそれこそ味噌だけでは全然足りないので、豆腐や魚を入れて大豆たんぱくや魚の良質なタンパク質、不飽和脂肪酸(DHA・EPA)が摂取できます。
たとえば、魚の脂であれば血行が良くなるのでそれにより代謝を高めることができます。もちろん、だからといって十分な栄養は摂れませんが基本の食品から摂る栄養も大事である程度ここでも高い栄養を摂取しておきたいです。栄養価の高いものを食べることで代謝も上がります。
ちなみに、味噌といってもたくさんの種類がありますよね。赤みそ、淡色みそ、白みそといったものですが地方によって使われる種類が異なってきます。東京は赤みそ、関東甲信越は淡色みそ、近畿地方は白みそが多いようです。味噌汁でダイエットを行うならよくつかわれる味噌で行っていただいても構いません。
けれども、その効果をある程度高めたいというのであればやはり赤みそと白みそをおすすめします。それはなぜかというと、ダイエット効果が高いメラノイジンの含有量が一番多いからです。たとえば100gあたりの計算であれば赤みそは17.3mg、白みそは0.9mg、合わせ味噌は3.8mgとなっております。
このメラノイジンは代謝を上げる、腸内環境の改善に有効ですのでダイエット効果や美肌、健康効果が期待できるというものです。特にこれから代謝が上がるという朝に飲むと有効です。一方で、白みそはGABAが味噌の中で一番多く含まれております。
100gあたりの計算では、白みそ64mg、合わせみそ31mg、赤みそ23mgです。GABAといえば玄米にも多いですが肝機能や腎機能の向上、血圧の低下、神経の鎮静作用、そして中性脂肪値の低下と健康効果やダイエット効果が期待できるのです。また、空腹を抑制できるので夜飲むことで満腹感が得られ余計なものを食べなくなります。特に夜中にたくさん何かを食べてしまったら太ってしまいます。
塩分の過剰摂取に要注意
注意していただきたいのは味噌汁をたくさん飲むということです。作り過ぎてしまって古くなるといけないからといってたくさん食べてしまうとかそれは絶対にやめてください。それであれば初めから作る分量を食べきる量にしておきましょう。
なぜかというと、味噌汁1杯あたり1.48gの塩分を摂取することになります。理想的な塩分摂取量は1日6g以下です。もし、毎回2杯の味噌汁を飲んでいたら1日6杯も味噌汁を飲むことになりますので9g近く成りますので軽くオーバーします。それに3食1杯ずつ飲んでいたとしても危ないのです。
理由は、味噌汁意外にも他の食品から塩分というものは摂っているものなので絶対に過剰摂取を起こしてしまいます。すると血圧が上がったり体がむくんだりしてダイエットや健康にとってはマイナスになります。ですので、やはり味噌汁は朝晩の2杯までにしておくとよいでしょう。
そして、そのほかの食事からはあまり塩分は摂取しないようにすること。これを心がければ何とか6g以下に抑えることができるかと思います。また、もうひとつお話しするとすれば、ほとんどの味噌には人口塩が入っています。人口塩はナトリウム以外のミネラルがほとんど取り除かれています。
けれども、天然塩であれば、そのほかにも重要なミネラル(マグネシウム、マンガン、カリウム、カルシウム、リン、鉄、他)がバランスよく含まれておりますので比較的血圧も上がりにくくなっております。だからといって度を超えてしまったらまずいので摂取量は守りましょう。
特にインスタントみそ汁など簡単に作れてしまうものは化学調味料や人口塩がたっぷりと使われているのであれはもはや味噌ではありません。発酵することによって得られる乳酸菌も一切ないです。逆に不健康になりますのでもし味噌汁ダイエットを行うのであればしっかりと自炊しましょう。