牛乳がダイエットに向いているという理由は、アミノ酸スコア100で筋肉含め人間のタンパク質を作る上で有効だからです。ただ、気をつけていただきたいのはアミノ酸スコアは一つの指標にすぎません。カロリーが多いから太りやすいではなく、不飽和脂肪酸がたくさん含まれているナッツ類は太りにくいです。それと同様で指標の一つにすぎないのです。
もちろん、脂肪はエネルギーは高くても体に蓄積されにくいので、牛乳は太りにくい飲み物と考えるのは一理あります。また、日本の教育から「カルシウムが多いから骨を太くするもの」と体に良いものとされてきましたが、それは本当なのか?ということです。
健康食の基本的な考え
基本的に健康食というのはその民族が古くから食してきたものを食べるということです。理由はDNAがそのように作られているためです。たとえば、地中海に住む方々は昔から油の多い食文化だったため油に強い体になっています。
欧米人は昔から肉をたくさん食べてきた民族なので肉を食べてももたれにくい体になっています。しかし、全く食文化が異なる日本人が油をぐびぐび飲んだら体調を崩しますし、肉食ばかりしていたらそれこそ生活習慣病を招きます。
もちろん、欧米人も肉食中心で生活習慣病を招くこともありますが、それ以上に日本人は弱くできています。では、日本人はどんなものを食べれば良いのか?それは古くから食べてきた穀物、とくに玄米や豆腐、魚、といったものです。
人間ももともとは野生動物
今では文明が発達して便利な時代になりましたが人間もライオンや虎と同じようにもともとは野生に生きる霊長類でした。しかも火もない時代に生きていたころ、食事を行うとしても何も加熱して食べませんよね。果実、木の実、野菜、小動物を生で食していました。つまりは生ものを食べることが基本であるという考え方です。
野菜も生で食べるべきですし、それこそ果物は皮ごと種ごと生で食べるのが一番です。そういった果物や野菜の色素となる部分にファイトケミカルスという抗酸化物質がたくさん含まれているのです。昔の人間はそれを知っていたので生ものしか食べませんでした。ただ、今の野菜の大半は農薬を使ったものなので生で食べる場合は無農薬野菜、無農薬果物ということが第一前提です。
やはり牛乳は毒性の強い飲み物なのか?
以上のことを考えると牛乳は日本人に適合しない飲み物です。ということは毒性が強いと考えることができます。われわれ日本人がこの歴史の中で牛を育てて牛耕農法は行ってきた時代はあるものの乳を絞りそれを飲むという習慣はありませんでした。
実際、牛乳を飲み始めたのは戦後の日本人たちが貧しく栄養不足になるのを酷に思った米国が提供したものがスタートです。当時給食で飲まれていたのは脱脂粉乳でそれ以降、子供たちの身長が伸び始めたことから「牛乳は健康に良い!」という考えが根付いたのです。
ただ、考えてみるとその時代は食べるものに困るほどで、あまりにも貧しい時代です。そこで、タンパク源の豊富な牛乳を提供すれば平均的に多少身長が伸びるのもおかしくはないです。だからといって体に良いものだと考えるのはあまりにも大げさすぎではありませんでしょうか?
おそらく、牛乳でなくても、野菜や果物、高タンパクな食事をバランスよく提供すれば栄養も整いますので身長は伸びたことでしょう。それに、自然界を見回しても成長してから「乳」を飲む動物は人間の他にいません。
乳の役割は乳児を育てるためのものです。人間でも母乳を飲むのは乳児が体重の3倍になるまでです。大人のサルがメスの乳を飲みますか?飲みませんよね。その考えはすでに自然界の摂理に反していることなのでNGなのです。
また、われわれ日本人の85%は牛乳を消化分解する酵素を持っていません。アジア人、黒人は牛乳に弱くできておりまして、大量の牛乳を飲むと腹痛、下痢を起こしてしまう乳糖不耐症を招くことが多いです。それはそうです。
アジア人やアフリカ人は牛乳なんてこれまで飲んだことがないので体調を崩すのも当たり前です。EU諸国に住む人でさえ大昔から牛乳を飲んできたわけでもなく150年前と比較的歴史は浅いのです。事実、白人もアジア人や黒人に比べ乳糖を処理できる量は多いとはいえ、一度に分解できる量は50グラムです。
アジア人や黒人は20グラムなので400ミリリットル以上の牛乳を飲むと体調を崩すリスクが増えます。白人でも1リットルを超えたらまずいということになります。ちなみに、150年前ということは、1800~1850年ごろと考えられます。
1819年にはイギリスの医師であるジョン・ボストックが花粉症が牧草の干し草が原因だと指摘しています。1831年には同じくイギリスのエリオットソンが流行している夏風邪は花粉症ではないかと推測しています。このとき日本ではまだ花粉症というものはありませんでした。
日本で花粉症が始まったのが、1963年ごろからです。戦後の1945年からおよそ20年経過してからです。人間の体には解毒機能が備わっています。しかし、長期間の過剰防衛が繰り返されることでアレルギーとなります。そのため20年ほどのギャップがあることは不思議ではありません。このことから推測できるのは、人間の食文化の変化によって花粉症などのアレルギー症状を引き起こす可能性が非常に高いということです。
事実、日本人の85%が牛乳を消化分解できないというのであれば、花粉症やアレルギーを招くとしても不思議ではありません。人間に適合していないアミノ酸を吸収するとなればそれを遺物だと判断して免疫細胞が過剰に働きます。それがアレルギーです。
牛乳ダイエットをオススメしない理由
結論から申し上げるとやはり牛乳でダイエットをすることはお勧めしません。先ほど説明したように特に日本人を含めたアジア人、黒人、インディアンは耐性が非常に弱く、欧米人ですら完全に耐える力を持っておりません。それを考えるともはや人間が飲む飲みものではないのです。アレルギー症状だけではなく、さまざまな病気を招くリスクも懸念されているものなのでダイエットを行うなら豆乳で行いましょう。
骨をもろくする
牛乳は骨を太くすると学生時代から教わり、給食では毎日のように牛乳が提供されていました。確かにカルシウムとタンパク質のバランスを考えれば骨の強化には良いと考えられるのですが、残念ながら牛乳のタンパク質がカゼインプロテインです。
カゼインプロテインの特徴は、カルシウムと結合してタンパク結合型カルシウムになりますので吸収率を一気に下げます。そのため表面的にカルシウムを摂取できていると思っていても実際のところは摂取できていないと考えられます。さらに、カルシウムが吸収できないということは、骨をもろくするだけではなく、胆石、腎臓結石、膀胱結石、歯石、白内障といった病気を招いたりします。
アレルギー症状
先ほどの説明の通り、牛乳を飲むことでアレルギーを招いたり、下痢を起こしたりします。
カゼインタンパク質
タンパク質が豊富に含まれているといいましても、そのタンパク質の80%はカゼインタンパク質です。同じ乳でも人間の母乳に含まれるアルブミンとは異なり、非常に強い粘りっ気があり腸での吸収が難しいです。吸収されなかったものは腐敗の原因となり、大腸がん、喘息、白血病、アレルギーのリスクを高めます。