とろろ昆布とは、別名とろろこぶ、薯蕷昆布とも呼ばれています。真昆布や利尻昆布などを酢につけてブロック状態に固めたものの断面をうっすらと柔らかく削って作ります。とろろ昆布とは糸上になっていますが、おぼろ昆布とは職人さんが一枚ずつ削ったものをいいます。
そんなとろろ昆布というのは、もともとは、江戸時代に北海道の昆布が敦賀や堺といった港へ運ばれる際に防カビ対策ができませんでした。特に中心部にカビが生えることが多かったので表面のみを削って製品化されたのがおぼろ昆布です。
このときはまだ中心部は廃棄されていましたが大阪のお寿司屋さんの提案によりばってらに使用されたことが始まりで白板昆布として使われるようになりました。現在のとろろ昆布はおぼろ昆布のヒントから、ブロック状に固めたものを削って製造した加工食品です。
つまりは、とろろ昆布を作った後は白板昆布は残りません。昔はいずれも職人さんにより手でつくられていましたが、現在ではとろろ昆布においては機械で簡単に作れてしまいます。一方、おぼろ昆布の方が職人さんが手間暇かけて製造することから高級品としても扱われています。
とろろ昆布の栄養価やカロリーとは?
では、とろろ昆布の気になるカロリーや栄養価ですがどうなのでしょうか。まず、100gあたりのカロリーは120kcalとなります。これをみるとなんだかカロリーは高いのではないかなと思うかもしれません。でも、とろろ昆布100gというと相当量です。1パック当たりでようやく100gぐいらいです。
それこそ、1食あたり12kcalしかありません。ですからカロリーセーブという意味ではダイエットにとても活用することができるのです。ちなみに栄養価においては、タンパク質(6.5g)、脂質(0.9g)、炭水化物(50.2g)、食物繊維(28.2g)となっております。
主な栄養成分(100gあたり) | |||
ビタミン | ミネラル | ||
ビタミンA | 64μg | ナトリウム | 2100mg |
ビタミンE | 0.8mg | カリウム | 4800mg |
ビタミンK | 150μg | カルシウム | 650mg |
ビタミンB1 | 0.33mg | マグネシウム | 520mg |
ビタミンB2 | 0.28mg | リン | 190mg |
ナイアシン | 1mg | 鉄 | 3.6mg |
ビタミンB6 | 0.02mg | 亜鉛 | 1.1mg |
葉酸 | 32μg | 銅 | 0.08mg |
パントテン酸 | 0.14mg | マンガン | 0.19mg |
ビタミンC | 19mg |
100gあたりの栄養であれば、ビタミンK、ビタミンB群(B1、B2)、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄が多いです。ビタミンKは血液の凝固で傷の修復に、ビタミンB群(B1、B2)であれば糖質の代謝、脂肪の代謝に有効です。
ナトリウムは過剰摂取してしまいますと血圧を上げることになりますので推奨はできませんが、カリウムもしっかりと含まれているので中和することができます。カルシウムは血中のカルシウム濃度の維持、骨の強化、マグネシウムも骨の形成、そして、酵素の正常な働きとエネルギーの産生に必要です。
鉄は体中に酸素を運搬するうえでも必要です。ダイエットでいえば有酸素運動にも使われるため間接的ではありますが脂肪の燃焼にも役立ちます。これらをみると結構いろいろな栄養が含まれています。では、とろろ昆布に含まれるダイエットによいと思われる栄養素についてお話しします。
とろろ昆布ダイエットの効果効能について
アルギン酸
海藻の水溶性食物繊維で、昆布やわかめといった海藻類の細胞間物質に含まれているゼリー状の多糖類です。海藻はぬめぬめしていますがその成分がこれに当たります。アルギン酸はカリウムと結合しているのですが、摂取した後、腸内でそれが解けます。これにより、高血圧の予防、血中コレステロール値上昇抑制、便秘の解消、動脈硬化の予防などが期待できます。
フコイダン
アルギン酸と同じく海藻類に含まれているぬめり成分です。多糖類の一種で、血糖値の低下、コレステロール値の上昇抑制、中性脂肪の上昇抑制、肝障害の改善、抗ガン作用、ピロリ菌の抑制、抗アレルギー作用といった効果が期待できます。ですから、フコイダンは癌に良いとサプリメントなども販売されていますね。
水溶性食物繊維
昆布よりもとろろ昆布の方が優れているという点は薄切りにされているところです。どうして薄切りにされていると良いのかというと細胞が細かく削られているので吸収率が高く、通常の昆布よりも食物繊維もたくさん摂取することができるというところです。特に水溶性食物繊維が多いので糖質の吸収を抑えることはもちろん、中性脂肪の上昇を抑制するのでダイエットにも健康にも良いのです。
満腹感が高い
とろろ昆布味噌汁がよいとうい理由は水分を吸収して膨張しているからです。これを食べることによってお腹も満たされるので満腹感が得られ余計に何かを食べようとそういったことはしなくてもよくなります。そういうった意味でも栄養をセーブできますよね。とろろ昆布を食べることによって、便秘の解消なども期待できます。
とろろ昆布ダイエットの効果的な実践方法とは?
とろろ昆布ダイエットとは1日わずか10gのとろろ昆布を食事と一緒に食べるだけのものです。基本的に水溶性食物繊維の性質を生かすのと、満腹度を高めるところに意味がありますので食事を行った後にとろろ昆布を食べてもあまり意味がありません。
ダイエット効果を大きくするには水分と一緒に摂取することです。これによって満腹感が高まりますので余計にご飯を食べないとか、食事を行わないとかといったことができます。糖質を抑えるダイエットとしても有効的に活用することができるのです。
料理方法としてはうどん、ラーメン、お鍋などの汁ものにいれるといいです。特に普段からよく食べるお味噌汁やスープは手軽にできるところがオススメです。もちろん、汁ものに限らずサラダのトッピング、そばのトッピングとしてもよいでしょう。
ただ、注意点としてはやはり10gという摂取量を守ることです。昆布だけではなく海藻類にはヨードが含まれています。日本人はヨードが欠乏しにくく、昆布だしなどからで1.5 mgも摂取することができるのです。ちなみに、アメリカの基準値では0.5~0.8mgが適正です。
逆に、ヨードを過剰に摂取してしまいますと、甲状腺機能を低下させるというリスクも懸念されます。もし、甲状腺の機能低下を起こすと集中力の低下、むくみ、便秘、太る、抜け毛などマイナスの効果が生じる可能性もございますので量は守るようにしましょう。また、甲状腺に疾患がある場合は一度医師の相談を受けることをオススメします。