今、国策レベルで「働き方」、「労働時間」について見直されてきています。実際に運輸会社においては、サービスの時間帯が短縮され、月末金曜日には15時退社を推奨する、「プレミアムフライデイ」も一部企業で運用が始まりました。
しかし、労働時間は短縮されても、仕事量については削減されるわけでもなく、よりタイムマネジメント、タスクマネジメントが求められているというのも実情です。そのような中で「会議」の時間というのは、いま最も見直しが必要なイベントで、この会議1つ削減するだけで1日の1時間がほかの業務に使うことができます。
同様に会議を実施するならば、それなりの成果が求められます。ここでは、社内会議を行う中で、より効率的かつ高い成果をだすためのルール・コツを4点厳選してお伝えしたいと思います。
1.会議のテーマ、ゴールを設定しましょう
当たり前といえば当たり前ですが、会議のテーマと、ゴール、すなわち会議が終わった段階で何が決定している状況になっていなければならないかを明確にする必要があります。
そして、そのゴールに導くためのアジェンダについても事前に用意しておくことが望ましいです。
まず、前提として、「集まるだけの会議は無駄なのでやらないほうがいい」ものです。なぜなら、集まるだけの会議は原則「何も生み出せない」からです。
例えば、情報共有のための会議というものがありますが、これは資料を送って確認を促せばよいため基本やる必要がありません。(どうしても認識をともにする事が必要というのであれば10分あれば十分でしょう。)
それでも会議を行うならば、会議の時間を使っただけの成果を生み出さなければなりません。そのため、どういう理由で、何かを決定しなければならない、そのために今日はこれとこれを決めますといったような、会議を行うことで決めるべき明確なゴール設定を冒頭に行いましょう。
2.役割分担を明確に行いましょう
具体的には、事前に「進行役(司会)」、「議事録担当」、「タイムマネジメント」場合によっては「まとめ役」の3~4ポジションを決めておきましょう。司会が全部やってしまうと、負担が非常に大きいです。また、それにより、会議がスムーズに進まない場合も想定されます。
また、これらの役割分担を行うことで、会議の参加者が当事者として集中して会議に臨むことができます。事前でも当日でも結構です。会議参加者の役割分担を明確に行いましょう。
また、役割がなくても「発言する」のも会議の参加者として重要な「役割」です。「進行役(司会)」の方は、全員が会議に参加できるよう、全参加者に発言を促す、時に名指して意見を求めに行くというのも重要となります。
3.タイムマネジメントを細かく行いましょう
「1. 会議のテーマ、ゴールを設定しましょう」の中で、「アジェンダ」を作成しましょうという話をしましたが、アジェンダの項目に対し、細かく時間設定を行ってください。細かい時間設定があるほうが、会議が「締まり」ます。
短い時間でポイントを押さえていかなければならないので、会議に集中し、知恵を結集することができるため、細かい時間設定を決め、その中で会議を進行させましょう。
なお、「進行役(司会)」の方は細かい時間配分を冒頭に伝え、ホワイトボードスクリーンにおいて議題と時間配分を明示しておくことで、より参加者の時間に対する意識が強くなるためしつこいくらいに強調したほうが良いでしょう。
ただし、時間に縛られすぎて中途半端な決定事項になってしまうくらいなら、時間に縛られすぎないということも重要です。時間はあくまでも「目安」です。「進行役(司会)」はそのあたりの機微を感じ取りながら会議を進行させてください。
4.会議の最後には決定事項をまとめましょう
当たり前ですが、会議が終わった段階で、決定事項を共有しましょう。決定事項とは、会議の「成果」です。その成果を共有し、合意をとることで決定事項が明確となり、参加者の共通認識となります。
また、決定事項については議事録にまとめ、いつでも振り返りができるようにしましょう。決定事項は「証拠」と「プロセス」があったほうがより強い決定事項として位置づけられます。
なお、持ち越し事項、懸案事項というのは極力ないようにすることが望ましいのですが、それでもそのような事項が出てきた際は「いつまでに」「誰」が「何をする」ということを明確にして会議を終わらせましょう。
まとめ
何も生み出さない、集まるだけの会議は前提として「無駄」なものだとしてとらえてください。それでも必要である場合は、「求める成果」と「時間」を重要視「して、最短距離で決定事項を決めましょう。
会議は知恵を出し合う、決定する、そして共有・共通認識を出し合うということにおいては有用な策ですが、同時にそれは参加者の時間を奪う行為でもあります。今回紹介した4つのルールの根底はそこにあります。「タイムイズマネー」という言葉がありますが、会議においてそれは最も重要な考え方だと改めて認識しましょう。