一般的に便秘薬に使われる主成分の一つとして酸化マグネシウムというものがあります。実際に酸化マグネシウムというミネラルは便秘の有効成分なわけで便秘薬に採用されています。今回は、酸化マグネシウムがなぜ、便秘に効果的なのか?そして、副作用はあるのか?摂取上などの注意点について解説していきたいと思います。
酸化マグネシウムが便秘に効果的な理由とは?
便秘に酸化マグネシウムが有効とされる理由は、腸内に保湿を促し便を軟らかくするためです。すっきりと便が出る人は、便に十分に水分が含まれることで、便の面積が大きくなり、大腸まで刺激され、ぜんどう運動が行われるためです。
ですから、起床時等、胃が空っぽな状態で水を飲むことで腸に送り込まれ、ぜんどう運動が行われやすくなり、便通が良くなるのです。しかし、便秘気味の人は、便の水分が少ないため、便が小さくなります。よって、大腸までのぜんどう運動がおこりません。
このように、便がしっかりと排泄されないと、腐敗を起こし、腸内環境を悪化します。では、水分摂取を行えば良いだけの話しでは?一時的な便秘であればそれも有効なのですが、それが慢性的になり長期の便秘の場合は水を沢山飲んだところで、便秘はなかなか解消されないことがあります。
それは、慢性的になっていると、腸で水分が吸収され便まで水が行き届かきません。ですから、酸化マグネシウムの力を借りることでこの悩みを解消することができます。
酸化マグネシウムが便秘を改善する仕組み
酸化マグネシウムを体内に摂取することで水分を吸収しやすくなります。水分をしっかりと吸収した酸化マグネシウムが腸内に入れば便通も柔らなくなる仕組みです。
腸壁から酸化マグネシウムの水分を奪うのではないだろうか?というように心配される声もございますが、そんなことはなく、腸内へ入った酸化マグネシウムの水分は再吸収はされません。
そのため、腸内で、便に水分を含ませ、便の体積が大きくなり、無事、大腸までぜんどう運動が行えますので、結果、便通が良くなるということです。また、胃の調子が悪いとそれが便秘に発展するケースもございます。
ところが、酸化マグネシウムは胃の調子を整えたり、胃炎、胃潰瘍に有効ともされています。そう言う意味では、間接的に便秘を改善することも可能ですし、胃に直接的に効いてくれるので非常にうれしいですよね。
酸化マグネシウムにも副作用がある?
マグネシウムは、胃腸を整えたり、脂肪燃焼を助けたり、あらゆる生命活動を行う上で必要なミネラル成分です。過剰摂取により大きな副作用はみられない毒性の低いものですのであまり気にせずに摂取してもよいかもしれません。薬がどうしても嫌なのであればサプリメントで摂取するのもいいかもしれません。
ところが、健康な人であれば問題ないのですが、心臓、肝臓が悪い人や障害を抱えている人の場合は例外です。沢山マグネシウムを摂取すると心臓に負担がかかります。その上、マグネシウムは肝臓で処理しますので、それが上手く行かないと体に蓄積されてしまいます。
摂取⇒循環⇒排泄というのが重要です。ある程度体の中に蓄積していても問題はないのですが、基準値を超えてしまうと、高マグネシウム血症という別な病気を招き、血圧低下、倦怠感、吐き気といった症状に襲われます。
ですから、もし、自分が心臓や肝臓が悪いのであれば、一度、お医者さんに相談してから摂取するようにしましょう。ただ、健康な人であれば、過剰摂取を行っても高マグネシウム血症は起こしにくいですし、心臓、肝臓が悪い人でも過剰摂取しなければなりにくいです。
ただ、マグネシウムにもこのような病を招く危険性があるということを念頭に置いておきましょう。あとは、幾つか飲み合わせに置いて注意しなくてはいけないものがございますので把握しておきましょう。
カルシウム
カルシウムとの同時摂取は避けましょう。ミルク・アルカリ症候群を招き、高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等といったまた病気に襲われる可能性がございます。
ビタミンD3製剤(骨粗鬆症の薬)
具体的には、アルファロール、ワンアルファといった薬と併用して摂取すると高マグネシウム血症を招きやすくなります。特に、マグネシウムは腎臓で処理するので腎臓が悪い人は要注意です。
一部の抗生物質系の薬
具体的には、ニューキノロン系抗菌薬、テトラサイクリン系抗生物質、セフェム系抗生物質、ジギタリス製剤(強心薬)、ビスホスフォネート系薬剤(骨の薬)、ジギタリス製剤(強心薬)同時に摂取すると副作用はないのですが、酸化マグネシウムの力でこれらの薬の効果を半減させてしまいます。もし、同時摂取を行う場合は、摂取後、2~3時間程度置いてから飲むようにしましょう。
酸化マグネシウムは確かに服用すれば効果もあるようですが、やはりなるべく自然に便秘を改善した方がいいかもしれません。
まずは、メジャーなオリゴ糖の摂取などを試してみて腸内バランスを整えましょう。通院されている方は、保険適応の薬ですので、処方してもらうのも良いかもしれません。
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