L-カルニチンといえば、ダイエットサプリメントで有名ですよね。2012年12月に食品として認可され今では薬局やスポーツショップに行けば、手軽に手に入れることができる珍しくもないサプリメントです。
この、L-カルニチンですが、ダイエットに非常に有効とされている理由が、ミトコンドリアが脂肪をエネルギーへ変換。つまり、脂肪の燃焼を行う上で、重要な役割を担っているからなのです。今回は、本当の効果効能についてお話ししていきたいと思います。
そもそもL-カルニチンとは?
L-カルニチンは人間ではなく、あらゆる動物の体に含まれているもので、αリポ酸と同じく、人間が生命活動を行う上で重要な栄養素の一つです。その理由としては、まず生命活動を行う上でエネルギーが必要となります。
そのエネルギーは血中に溶け込んでいる脂質をミトコンドリアにとり込み、燃やし、エネルギー変換を行うことで生成されます。そこで、脂質をミトコンドリアの中にとり込む上でL-カルニチンがとても重要になるのです。
L-カルニチンはそこまで脂肪燃焼効果が高いか?
上記の説明の通り、L-カルニチンは、脂肪を燃やす上でとても重要な役割を担っています。つまり、それをサプリメントや食品など外部から摂取したことにより効果が得られるだろうと考えられているわけです。
実際、2004年にドイツのロストック大学でL-カルニチンを使用し、脂肪燃焼の効果実験を人間ベースに行われました。この実験の条件下では、運動を行わないことを前提として脂肪燃焼効果が得られたわけですが、もし、これで、運動を行えばさらに脂肪燃焼が期待できるのではないか?と考えられたのです。
しかしL-カルニチンには不明確なところも
以上の理屈の通りL-カルニチンにより脂質をエネルギー変換する上で非常に重要なものであること、他ドイツの実験を含め、数多くの実験で脂肪燃焼の効果を得られたとの報告があることからやはりL-カルニチンは脂肪燃焼に有効とみても間違いないだろうといわれていました。
ところが、市販で販売されているサプリメントの場合、医薬品のL-カルニチンとは異なり食品であるため濃度もそれだけ変わってきます。ですから、サプリメントの実験を行わなくては話しが始まらないという見解や、
とある実験によりますと、経口摂取を行っても、体重減少、体脂肪の減少には変化が見られなかったところから効果において否定的な説を述べる学者もいます。つまり、L-カルニチンを摂取したからといって、必ずしも脂肪燃焼効果を期待できるとは限らないということです。
L-カルニチンが誕生したきっかけ
これまでの説明からもL-カルニチンはもともとは栄養補助食品ではなく、医薬品として使用されてきました。もちろん、その理由は肥満防止やダイエットではありません。
およそ50年前にこの薬が誕生したのですが、当時、L-カルニチン欠乏症と呼ばれる病に悩まされていた患者がいました。これは、名前の通り、L-カルニチンが欠乏すると代謝が下がります。
そのためこれまでの話しから説明すると太りやすくなるのですが、酷い場合はそれどころではなく、低血糖発作を起こし、昏睡状態に陥ります。ですので、L-カルニチンを薬物投与として治療に使われていたわけです。
L-カルニチンは人間の体の中に沢山存在する栄養成分ですが、筋肉である心臓の活動の補助を行うこともわかっています。そのため、うっ血性心不全や狭心症など心臓の病気を改善できたという報告もございます。さらには、L-カルニチンの摂取により、動脈硬化の症状も改善したといいます。
L-カルニチンサプリメントの摂取上の注意
以上のことからも、確かに理屈上ではL-カルニチンは脂肪の代謝に重要な栄養成分だということは明確です。血液中の脂肪を細胞に取り込み燃焼する上で必要な存在です。
ただ、だからといって、栄養補助食品であるサプリメントを摂取し、それだけで脂肪燃焼が期待できるのか?というとはっきりとはわかっていないのが事実です。
楽して痩せたいという気持ちはわかりますが、これだけ飲んでいれば痩せられるだろうと思って、L-カルニチンだけに依存するのは非常に危険なことです。それであれば、BCAAなどのアミノ酸を運動と併用した方が効果が高いかもしれません。
ただ、とはいうものの、医療的な立場から考えると、L-カルニチンは非常に有効な栄養成分であるというのは明らかです。実際、医薬品としても使用されているわけですからね。
また、L-カルニチンももともと人間の体に多く存在するものなのですが、これは年を重ねるごとに減っていきます。ですから、経口摂取自体は心身の健康を維持するという目的では、L-カルニチンをサプリメントから摂取するのはありかもしれません。
過剰摂取に関しては、本来から人間の体にあるものなので中々副作用は起きにくいです。しかし、嘔吐、吐き気、胸やけ、胃炎、下痢、痙攣といったものがございます。ただ、よっぽどのことがなければ生じないほどのものですので、そこまで意識しなくても問題ないかと思います。
一応、厚生労働省の目安基準としては、1日1000mgとなっています。これを参考に摂取すればよいかと思います。
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