爪って日頃はあまり意識していないのに、ちょっと爪先が欠けた途端、急に生活が不便に感じられるものですよね。シャンプーする時に髪の毛にひっかかったり、欠けた爪が切れてしまい水仕事に支障が出たり。足の爪の場合はストッキングの伝線や、履く靴も限られたりしてしまいます。
こうした時に、実は爪が指先を守る大事な役割を果たしていると気づかされます。ネイルアートで美しく飾ったり、爪の形を綺麗に整えたり。
爪の形状には気を配っている私達ですが、爪の構造や仕組みについては知らない人が多いのではないでしょうか?
爪は”死んだ細胞”?
爪は”死んだ細胞”で出来ていることを知っていましたか?正確に言うと、見えている部分の爪は「死んでしまった細胞」なのです。爪は甘皮の先の皮膚の中にある、爪母(そうぼ)が細胞分裂することで新しい爪が作りだされ、その新しい爪に押し出されるようにして爪先に伸びてきます。
爪母で作られる細胞だけが生きていて、それ以外は死んだ細胞なので爪を切っても痛くないし血も出ません。
爪の成分は皮膚の角質層が変化したもので、主要な構成成分は硬ケラチン。ケラチンはたんぱく質の総称で、実は髪の毛も爪と同じ硬ケラチンから出来ています。髪の毛も同じように死んだ細胞なんです。
両方とも肌の角質と同じです。皮下細胞で日々新しい細胞が作られ、古くなったものはどんどん押し上げられていく。
つまり、目に見えている部分ばかりをケアしても根本的な解決にはならない。肌と同様、爪も髪も体の内側からケアしないと、健康な爪や髪にはならないということです。
爪が割れる原因と日頃のケア
爪が健康であれば多少の外的刺激では簡単に割れないもの。もろくなってしまっている原因は体の内側にあります。
爪が割れる原因
①栄養不足
爪を見れば過去6カ月の健康状態が分かると言われますが、その間にダイエットや偏った食生活をしていると、爪の健康状態も悪くなってしまいます。
割れやすく、表面が凸凹している・爪に立筋が出来ている場合は、特に栄養不足が疑われます。
爪の健康のためには、鉄分の多いレバーやほうれん草などを積極的に食べるようにしましょう。また主成分であるたんぱく質も摂取しなければなりません。動物性たんぱく質だけでなく、納豆や大豆などの植物性たんぱく質も沢山食べるようにしてください。
そして日頃からビタミンとミネラルをバランス良く摂る食事をすることが、何より大切です。
②血行不良
女性の7割は冷え症と言われますが、血行不良になると末端にまで栄養を運ぶことができなくなってしまいます。
近年若い世代で髪のトラブルが増えているのも、こうした血行不良によって栄養が行き渡らなくなることが大きな原因。爪や髪はただでさえ、栄養の配分順位が内臓に比べ低く設定されています。血行を良くすることで爪母にきちんと栄養を運ぶことが、爪の健康に繋がるのです。
血行不良の改善には入浴やマッサージ、ストレッチも効果的ですが、根本から変えるには筋肉量を増やす必要があります。筋肉は血液を運ぶポンプのようなもの。たんぱく質を摂り、適度な運動をして筋肉を少しでも増やす努力をしましょう。
③乾燥
死んだ細胞である爪ですが、水分は10%以上含んでいます。皮膚との間で蒸散活動もしており、適度に潤うことで爪自体を守っています。水仕事の後やお風呂上がり等は皮膚だけでなく、爪にもハンドクリームを塗ってあげるようにしたいですね。
割れた爪の処置方法
爪にひびが入って割れてしまった場合は、慎重に爪切りで切った後にやすりで整えます。浅いひびなら最初からやすりをしようした方が良いでしょう。
深く爪が割れてしまった場合は深爪にならない程度まで切るかやすりで整え、絆創膏等のテーピングで補強しておきましょう。ドラッグストアに様々なタイプのテーピングがあるので、水仕事が多いなら防水仕様を選ぶといったように、用途に合わせて選んでくださいね。
水仕事の際はゴム手袋を併用することもオススメします。