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リヒャルト・ゲオルク・シュトラウスの作品の特徴。代表曲おすすめ5選。

出典:[amazon]R.シュトラウス:英雄の生涯

今回はバイエルン王国(ドイツ)のミュンヘンにて生まれた後期ロマン派を代表とするリヒャルト・ゲオルク・シュトラウス(1864~1949)(以下シュトラウス)の作品の特徴と代表曲おすすめ5選をご紹介させていただきます。シュトラウスは父親が主席ホルン奏者だったため幼少期から音楽教育を受けていました。そのおかげで若くして指揮者という地位を得ることも出来ました。また、指揮者だけに限らず交響詩やオペラの作曲活動も行っていたため作曲家としても活躍していました。

作品の特徴

シュトラウスの作曲活動は3期に分かれます。いわゆる第1期と言われるのが、父親から受けていた教育を律儀に受けとめそれを作曲活動に取り入れていた保守的な音楽が多かったのがこの時期の特徴です。

第2期は管弦楽の曲を沢山作り格段と進歩を遂げました。そして標題音楽と言われる音楽を聴いて聴き手が情景などを思い浮かべるという音楽を作り上げて注目されるようになります。そして、この頃から管弦楽を成功に収めると次は交響詩作成に移ります。その過程でオーケストラの表現力を拡大させていました。この頃の作品の特徴としては、父親の教えを律儀に守っていたところから1度離れて、自ら新しい音楽を探す旅に出て標題音楽やオーケストラの規模を拡大させることに成功したことだと言えます。

最後の第3期は交響詩からも離れてオペラ制作に没頭します。交響詩作成で得た知識をオペラ制作にも用いて数々の代表作を生み出しました。この頃の作品の特徴としては、詩や絵画などを用いて作られた交響詩作成時に得た知識や表現方法をオペラ作成にも用いることにより、他のオペラを作曲している作曲家には表現できない表現方法を用いていたため様々な作曲家の憧れの存在であり後輩からとても尊敬されていたそうです。

代表曲おすすめ5選

第1位交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」

この曲はスタンリー・キューブリック監督の映画「2001年宇宙の旅」にて冒頭部分が使われ一躍有名となりました。そしてこの曲のタイトルはニーチェの哲学書から取られています。ツァラトゥストラというのはゾロアスター教の開祖と言われている伝説な人物です。ギリシャ語でゾロアスターとはツァラトゥストラと言われていたそうです。ということは、ニーチェの超人思想を表現した作品と言われています。

第2位オペラ「サロメ」

この作品は1903年~1905年にかけて作曲されたオペラです。全1幕構成で約1時間45分です。原作はアイルランドの詩人・作家であるオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」です。この物語は聖書を題材としているため原作の戯曲は上演できないことが度々あったそうです。

また、シュトラウスが作曲したオペラ「サロメ」でも上演禁止と言われてしまった場所もあったそうです。生首が出てきたりと少々グロテスクなシーンがあるためそこもあまり上演されなかった原因の1つかもしれませんね。

第3位オペラ「ばらの騎士」

この作品は1909年~1910年にかけて作曲されたオペラです。全3幕構成になっており合計3時間15分の超大作になっています。今までシュトラウスが作曲してきたオペラは不協和音が使われていたりと聴いていて少し気持ち悪い気分になってしまう作品が多かったです。しかし、この作品からは親しみやすく美しい優雅な音楽を感じ取れる作品に傾向を変えました。舞台は18世紀中ごろのウィーンの陸軍の館です。

第4位交響詩「ドン・ファン」

この作品は、シュトラウスが24歳であった1888年に書き上げた作品です。この交響詩の題名ともなっている「ドン・ファン」というのは17世紀のスペイン戯曲にて現れた伝説上の人物のことです。実は、モーツァルトの三大オペラともいわれているオペラのうちの1つに「ドン・ジョヴァンニ」という作品があります。この作品もとても有名なので知っている人も多いと思いますがこの作品も「ドン・ファン」の伝説をもとに作られた作品だと言われています。

しかし、シュトラウスが参考にした「ドン・ファン」伝説と言われているのは、実はオーストリアの詩人ニコラウス・レーナウがこの伝説を下敷きとして書いた詩でした。レーナウの詩から3つの場面が引用されています。この詩の中での「ドン・ファン」は、理想的な女性や愛を求め続けますがそれを手に入れることが出来ずそのまま生涯を終えてしまうというものです。

第5位交響曲「アルプス交響曲」

この作品は、シュトラウスが51歳である1915年に書き上げた交響曲です。今までは、交響詩ばかり作成していたシュトラウスですが、転機が訪れ交響詩から一変してオペラ作成に挑みます。その時に作成された交響曲になります。この交響曲は1幕構成となっており、アルプス登山の情景を描写したタイトルが、夜明け前から日没にかけてを切れ目なく演奏するためです。形としては交響曲となっていますが取る人からしたら交響詩とも取れますね。この描写を描くことが出来たのは、長年交響詩を作ってきたシュトラウスだからこそできたものですね。

まとめ

今回はシュトラウスの作品の特徴と代表曲おすすめ5選をご紹介させていただきました。様々な経験を経て様々な作品を世に出してきたシュトラウス。しかし、裏では上演禁止となった作品があったり裁判にかけられてしまったりとてんてこ舞いの人生でした。しかし、そのような経験があったからこそ素敵な作品を世に出すことが出来たのでしょう。

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