少しの刺激で、発赤・痒み・湿疹・染みるなどの症状が出やすい肌のことを、総称で「敏感肌」と言います。生まれつき敏感肌の人は、アトピー等の皮膚疾患を併発していることもあるため、自分の肌に合った最適なケアが必要です。
今回はアトピー・敏感肌に対するクレンジングの選び方と注意点をご紹介します。
クレンジング剤の選び方
不純物を含まない
合成界面活性剤・防腐剤・香料・着色料など、肌の刺激となる化学物質を含んでいないことが第一。アトピー肌はバリア機能が弱まっているため、ちょっとした刺激で炎症が発生・悪化する恐れがあるからです。
おすすめは、アトピー肌用に開発されたクレンジング剤や純石けん。薄めのメイクであれば、十分に泡立てた石けんでもメイクを落とすことが可能です。
肌触りがなめらかで滑りがよい
クレンジングの際は、肌への負担を極力避けることが大事。肌滑りが悪いとどうしても指に力が入ってしまい、角質層にダメージを与えてしまうのでオススメできません。
肌の上でなめらかに指が滑り、たっぷり使えるものを選ぶと良いでしょう。すすぎやすさも視野に入れて。
オーガニック・無添加ならOK?
「無添加」「オーガニック」と表記されている製品は、何となく肌に優しい感じがします。しかし、大切なのは「何が無添加なのか」「何を基準にオーガニックを謳っているのか」をチェックすること。
まず、無添加という表示は香料・防腐剤・着色料などのどれか1つが含まれていないだけでも表示できてしまいます。オーガニックも、原料の中にオーガニックのものが入っているだけでオーガニック製品と表示できてしまうのです。ちなみに、オーガニック製品の中には刺激の強い天然素材を使っているものもありますので、本当の無添加であってもパッチテストを行うようにしましょう。
クレンジングのポイント
オイルやコールドクリームはたっぷり使う
オイルやコールドクリームの量が十分でないと、手の滑りが悪くなったり、手と肌の間のクッション性が落ち、知らない間に皮膚をこすってしまいがちです。オイルやコールドクリームは十分な量を使用するようにしましょう。
使用する前に手の平で軽く温める
特に冬場は冷たいオイルやクリームだと、肌へのなじみが悪い場合があります。なじみが悪いと、どうしても必要以上に手を動かし、こすってしまうことがあります。清潔な手の平の上で人肌に温めてから肌の上にのせましょう。
ティッシュオフ時は細心の注意を
メイクや汚れが浮いたらティッシュやコットンで油分を吸い取りますが、最も気をつけなくてはいけないのが、このティッシュオフする時です。ティッシュやコットンは上から抑えて「オイルを吸収させる」のみにし、「ふき取る」ことはしないでください。
皮膚が薄い目元は特に注意
目元の皮膚は他のパーツよりも薄く、傷つきやすいため、特に注意するようにしましょう。マスカラはお湯で洗い流せるタイプのものを使用するなど、メイクオフがしやすいものを選ぶことも重要です。
洗顔のポイント
洗顔は純度の高い石鹸を使い、クレンジングと同様に優しく、しかし汚れはしっかりと洗い落とすようにしましょう。
アトピー肌の方は「洗顔はぬるま湯のみ(特に朝)」というイメージを持たれている方が多いかと思いますが、アトピー性皮膚炎の症状がひどくない場合は、汗ばむ夏のシーズンは寝ている間に分泌する酸化した皮脂や保湿剤を優しく洗い流して清潔さと保つようにしましょう。
基本を守って優しく洗う
- 洗顔の基本である以下のようなことに注意し、角質層へのダメージを最小に抑えるようにしてください。
- 洗顔剤はしっかりと泡立てる
- Tゾーンから洗い始め、乾燥しやすい頬や目元は最後に洗う
- 指が肌に触れないよう、泡を転がすように洗う
- 肌に泡をのせている時間は45秒程度にする
- ぬるま湯でしっかりすすぎ、洗顔剤が肌に残らないようにする
- やわらかいタオルで押さえるように顔を拭き、絶対にこすらないようにする
二度洗いはしない
特にオイルやコールドクリームでクレンジングをした際、慣れない間は一度の洗顔ではヌルヌルした感触が残っているように感じる場合があります。
しかし、基本的に二度洗いはせず、洗顔は一度だけにしましょう。どうしても気になる場合は、Tゾーンや小鼻の周りだけ二度洗いをするようにしてください。
アトピー性皮膚炎の症状がひどく、ぬるま湯でも肌に刺激を感じるような場合は、自己判断でケアを行わず、必ず医師に相談するようにしましょう。
アトピーにW洗顔はNG
メイク落としにW洗顔を行う方がいますが、アトピー肌はW洗顔を避けるべきです。
クレンジングだけでも、バリア機能が弱っているアトピー肌には多大な負担。そこへさらに洗顔料を使用したら、必要な皮脂まで洗い流してしまいます。
皮脂がなくなると肌の水分が蒸発し、乾燥は一気にスピードアップ。
すると、皮膚は乾燥から肌を守ろうと過剰な皮脂を分泌するため、延々と肌トラブルが続くという結果になってしまうのです。アトピー肌のクレンジング剤は、メイク落としと洗顔が一緒にできてしまうものがいいでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一度敏感肌になると、回復するまでにある程度の時間を要します。悩みが現れる前に予防をする、現れ始めた悩みを最小限に食い止める、進行してしまった悩みには適切な対処をする。この意識を心得て、敏感肌に怯える日々にピリオドを打ちましょう。
また、クレンジングで使っているオイルや石鹸が自分に合わないと感じたら、直ちに使用を控えるなどの処置も併せて意識しましょう。
また、症状がひどい場合は、皮膚科できちんとスキンケアを学び、必要に応じて躊躇なくステロイドクリームを使うことも必要です。全身的な副作用はまずありませんが、ステロイドを使わない処方をしてくれる皮膚科もありますので、きちんとご自分の希望を伝えるようにしましょう。楽しく外出できるようになるといいですね!
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