肌断食という言葉を聞いたことはありますか?体のための断食=ファスティングは良く知られていますよね。断食することでデトックスを行い、体の調子を整えダイエットにもなりますが、肌断食の目的もそれに近いニュアンスです。
過度なスキンケア・肌に負担をかけるメイクを一切せずに過ごすことで、本来肌が持っている機能を再生させる試みで、実際に肌断食で長年の肌トラブルに悩まされなくなった人も多いんだとか。
興味はあるけれど「保湿をしないと不安」「紫外線対策は?」といった不安や疑問も抱いてしまう肌断食。その効果・効能、やり方等について紹介していきます。思い切った方法だけに、向かない人ややり方も柔軟性を持たせる必要がありそうですよ!
肌断食とは?
「人より比較的熱心にスキンケアを行っているのに、肌トラブルに悩まされることが多い」
「保湿を念入りにしていても、乾燥肌が一向に改善されない」
こうした状態の場合、そのスキンケアやメイク用品が肌に合っていないことや、肌に大きな負担をかけていることが考えられます。化粧品は完全に無添加という訳にはいかない商品。
トラブルのない人は良いのですが、人によっては保存料や界面活性剤により肌バリアを壊してしまい、スキンケアによって肌機能を悪化させている場合もあるんです。
そういった状態を打開するため、スキンケアやクレンジング、メイクを中断して肌を自己再生させる試みが”肌断食”。日常的に過剰になっているスキンケアを控え、メイクをしないことで肌を休ませるのが目的です。
どこまでケアをしないか・期間は人それぞれですが、一般的な肌断食の定義は一切のスキンケアやクレンジングを控え、水またはぬるま湯で洗顔するだけというステップを指します。
肌断食の効果と効能
肌断食の効果はすぐに表れるものではありません。断食後には好転反応と呼ばれる、肌荒れする時期が起こることも多く、その後少しずつ本来の肌機能が回復し安定していきます。
肌断食による効果と効能は以下のものが挙げられます。
①肌の乾燥が改善される
肌断食がもたらす、最大の効果は乾燥の改善でしょう。肌トラブルの原因の多くは乾燥によるものが多いので、肌の内部から乾燥しにくく改善することで、肌荒れのしにくい生まれ持った肌実力に見合った状態に戻ることが可能です。
洗浄やクレンジングは特に肌を乾燥させてしまいますし、保湿のしすぎで狂ってしまった皮脂とのバランスも整うようになります。
②キメの細かい、毛穴レスな肌へ
洗浄のしすぎは必要な皮脂まで取り去ってしまうので、それを補うべく余計な皮脂の分泌まで引き起こすことがあります。これにより角栓・ニキビが増え、さらに洗浄することで乾燥を招き毛穴の広がりにつながる、悪循環を生みだします。
肌断食により皮脂も安定すると、こうしたトラブルが軽減され、毛穴の気にならない肌も夢ではありません。
③肌にハリが!
肌のハリは皮膚の奥にある真皮層のコラーゲンやセラミドが重要とされますが、表面の角質層の水分と皮脂のバランスが取れれば、それだけでもハリが出るようになります。
また肌断食をすると外側からのケアをしない分、内側、つまり食事や生活習慣を見直すようになります。というより、それを含めて肌断食!しっかり栄養や睡眠を摂り、ストレスを軽減させる。こうした取り組みと一緒に行うことで、肌断食が成功するかしないかが決まる。
そう言っても過言でないくらい、内側の見直しは大切です。
④メイクが薄くなる
肌が安定して綺麗になれば、メイクも自然と薄くしていけます。そうなるとクレンジングの負担も軽減され、肌に良い状態が継続されていきます。
肌断食をしてはいけない人って?
肌断食にはこうしたメリットがある一方で、実践することがデメリットを生んでしまうタイプの人も存在します。それは生まれつき肌が弱い人。アトピーや超敏感肌の場合、もともとちょっとした影響でも肌のゆらぎを感じやすいですよね。
特にアトピーは、細胞間脂質の中で最も多くを占める”セラミ”を正常に作ることが出来ないので、肌断食をしても自力でセラミドを生成出来るようになる可能性は低いでしょう。
そうなるとより乾燥しやすくなり肌のバリア機能も低下し、肌が荒れただけの結果になってしまいます。肌断食をしても、元々の機能以上の力を引き出すことは難しいもの。肌が弱い場合は無理をせず、自分に合ったスキンケアを行ってください。
また年齢を重ねるとどうしても肌の水分量は落ちてくるものです。自宅にいて乾燥をコントロール出来れば良いのですが、オフィスや通勤電車の空調、そして紫外線を多く浴びる機会が多いと、単に乾燥が激しくシワや法令線が一気に目立ち、老けこんでしまうことも。自分の環境をよく考え、期間を限定する・やり方を工夫することも大切です。
肌断食・おすすめのやり方
①完全な肌断食
完全な肌断食はスキンケア・メイクも一切行わず、水かぬるま湯による洗顔のみで過ごすこと。前述の肌断食をしてはいけない人以外でも、なかなか敷居が高いと思います。
例えば産休や育児中、学生なら長期休暇といったような、公の場にあまり出かけずにいられる時期に、出来れば1か月は継続したいものです。肌のターンオーバーの周期が約28日以上なので(加齢により延びる)、根本から変えたいのならその位は腰を据えて行う必要があります。
また肌が荒れてしまうことも多くの場合、起こり得ること。そういった事態を前提として対処できる時期を確保した上で実践しましょう。肌荒れだけでなく痛みを感じる場合は、皮膚科に行き無理な状態なら中断することも必要です。肌断食は合わない人もいるので、無理は禁物ですよ。
洗顔は基本的に朝と夜の2回ですが、皮脂が多い(ぬるっとしたり、角栓ができやすい)タイプなら気になる時にぬるま湯で洗いましょう。皮脂は水では落ちないと言われますが、酸化した皮脂は水溶性なのでちゃんと落ちます。
紫外線対策も春から夏は必要ですよね。日差しがキツイ時期は日焼け止めが必須ですが、紫外線吸収剤不使用のものを選ぶようにしてください。ドラッグストアにある、伸びがよいのは大抵このタイプ。
そういったタイプでなく、紫外線拡散剤(反射剤)を利用したものを選ぶのをおすすめしますが、その理由は石鹸で落ちること。伸びが良いものは石鹸だけでは落ちないんです。紫外線吸収剤不使用・フリーの日焼け止めについて、記事にしていますので参考にしてみてください。
日焼け止めで紫外線吸収剤不使用・フリーはなぜいいの?人気おすすめは?
ミネラルファンデを使用するのも対策の1つ。こちらも石鹸で落ちるファンデーションで、粉より固形の方がしっかりつきますが、その分落とす時に強くこすったりしないよう注意が必要!マスカラもフィルムタイプなら石鹸のみで落とすことが可能です。
石鹸も純石鹸か無添加のものを選ぶこと。界面活性剤不使用のもので、固形石鹸にはこのタイプが多いはず。ドラッグストアやネットで探してみてください。オリーブオイルの石鹸は洗浄力も弱いのでおすすめですよ。
乾燥がどうしても気になる時はワセリンを使用しましょう。乾燥している部分だけに薄く塗るのがポイントです。
こうして1か月ほど過ごすと徐々に肌の力が甦り、保湿に頼らずとも潤いを感じ、肌荒れもしにくい肌になっていきます。
②肌断食を部分的に取り入れる
仕事をしているとメイクが必須で、クレンジングをしない訳にはいかないですよね。そんな場合は週末だけ肌断食を取り入れてみる、ファンデーションをミネラルに変えて純石鹸で洗うようにするなど、自分に合ったやり方を試してみましょう。徐々にスキンケアアイテムを減らしていくのも1つの方法です。
肌断食の感想
実は個人的に、部分的な肌断食を行っています。在宅の仕事で外出の機会が少なく、ずぼらゆえ自然と肌断食になってしまったのですが・・・。
夜は石鹸で洗顔、化粧水と部分的にクリームを塗っています。ただ朝はぬるま湯洗顔だけ。
アラフォーですが、以前は必ず出ていた生理前の吹き出物が皆無になりました。月に数回のみメイクしますが、肌を誉められることも以前より多くなり驚いています。
元々高価な基礎化粧品を使っても違いが分からない、肌の強いタイプだからこそかもしれませんが、紫外線を浴びないこと、必要以上のケアをしないことで刺激が相当軽減された結果だと考えています。また野菜を多く摂るようになり、バランスの良い食事に気遣うようになった影響もあります。
肌荒れが治りにくいサイクルに陥っていたら、一度試してみる価値はあるかもしれません!
あくまでも無理せず、挑戦してみてくださいね。
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