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誉田哲也ってどんな人?経歴は?結婚してる?作品の特徴や評判。おすすめ本8選

出典:[amazon]誉田哲也 All Works (宝島社文庫)

<ジウ>サーガや姫川玲子シリーズなど、数々の人気シリーズで定評のある作家・誉田哲也。その作品の多くが映像化されており、ドラマや映画などで一度は作品に触れたことのある方も多いのではないでしょうか。緻密で影のあるミステリーを執筆する一方で、「武士道シックスティーン」などの青春ものでは、若さ全開のハツラツとした作風を見せるなど、幅広いジャンルの小説家としても人気があります。多彩な作風で知られる誉田哲也とはどのような作家なのでしょうか。今回はおすすめ作品を交えながら、誉田哲也について紹介します。

誉田哲也の経歴について

誉田哲也はどのような経歴を辿ったのでしょうか。他の多くの作家のように文学少年ではなく、若い頃は本格的にミュージシャンを志していたようです。

ミュージシャンを志した青春時代

誉田哲也(ほんだ・てつや)は1969年、東京都板橋区に生まれました。両親と4歳年上の姉の4人家族で育ちました。子供の頃の誉田哲也は、他の作家にありがちな「〜の全集を片っ端から読む」といったような文学少年ではなく、姉から渡された星新一の「ショート・ショート」や怪談本、筒井康隆、夢枕獏などの作品を読むような、ごく普通の少年でした。

思春期の頃の誉田は、文学よりも音楽に熱中し、15歳から30歳まで本格的にミュージシャンの道を志します。結果的にミュージシャンになる夢は叶わなかったものの、音楽活動で得た経験は、後の誉田作品に大きな影響を残すことになります(プロのミュージシャンを諦めたのは、椎名林檎の才能に衝撃を受けたからだそうです)。

小説家としてデビュー

ミュージシャンの道を諦めた誉田哲也は、友人の紹介で格闘技団体パンクラスのレビュー投稿の仕事を始めます。もともと格闘技に興味があり仕事も楽しかったようですが「どうせ文章を書くなら作家になろう」と決意し、作家の道を志します。その後、江戸・戦国・現代の3つの時代を舞台にした小説を執筆し、第1回ホラーサスペンス大賞に応募するも落選。次に誉田は「警察小説」の執筆に取り掛かります。

しかし誉田哲也は警察小説についてほとんど知らなかったらしく、最初は『ミステリーファンのための警察学入門』や『警察小説コレクション』などを読み勉強したそうです。そして試作として執筆したのが、のちに大ヒットとなる姫川玲子を主人公とした作品でした。

その後、2002年に発表した『ダークサイド・エンジェル紅鈴、妖の華』で第2回ムー伝奇ノベルス大賞優秀賞を獲得し、作家デビューを果たします。デビューしてからの誉田哲也は、姫川玲子シリーズや、<ジウ>シリーズ、武士道シリーズなど、数々のヒット作を世に送り出し、人気作家としての地位を獲得しています。

今後は恋愛小説も書いてみたいとインタビューで語っていたので、恋愛小説ジャンルでも新たな誉田ワールドが展開されるのが楽しみです。

結婚してる?

誉田哲也は結婚しているのでしょうか?。色々調べてみましたが、結婚に関する詳しい情報は見つかりませんでした。しかし、息子さんがいるとの情報がありましたので、どうやら結婚しているようです。今年(2022年)で53歳になるので、大きなお子さんがいてもおかしくないと思います。

おもな受賞歴

近年では2020年に第162回直木賞にノミネートされたことで話題となった誉田哲也ですが、ここでは、これまでのおもな受賞歴(候補含む)について紹介します。

・2002年『ダークサイド・エンジェル紅鈴・妖の華』・・・第2回ムー奇伝ノベルス大賞優秀賞
・2003年『アクセス』・・・第4回ホラーサスペンス大賞特別賞
・2007年『ストロベリーナイト』・・・第9回大藪春彦賞候補
・2009年『武士道セブンティーン』・・・第24回坪田譲治文学賞候補
『ハング』・・・第12回大藪春彦賞候補
・2012年『あなたが愛した記憶』・・・第3回山田風太郎賞候補
・2014年『ケモノの城』・・・第5回山田風太郎賞候補
・2020年『背中の蜘蛛』・・・第162回直木賞候補

作品の特徴や評判は?

初期の作品はホラーや伝奇ものを多く執筆した誉田哲也ですが、次第に警察小説を軸とした推理小説へと移行していきます。その作品の特徴としては「女性が主人公である」点が挙げられます。「姫川玲子シリーズ」や「魚住久江シリーズ」、「ジウシリーズ」などはいずれも女性が主人公の作品であり、個性的な女性刑事の活躍がヒットの要因と言えるでしょう。

リアルなサスペンスを描く一方で、「武士道シリーズ」や『世界でいちばん長い写真』、『疾風ガール』などの青春小説も手がけており、執筆ジャンルの幅の広さでも定評があります。また、誉田哲也の作品はリーダビリティ(読み易さ)が高く視覚的なため、多くの作品が映像化されていることも特徴の一つです。

誉田哲也のおすすめ作品8選

誉田哲也のおすすめ作品を紹介します。いつものように、筆者の主観が多分に含まれていますので、その点はお許しください。

武士道シックスティーン

剣道に青春をささげる2人の少女の物語です。誉田哲也が描く青春小説の代表作であり、漫画や映画化もされました。幼い頃から剣道を習い、勝つことだけを目標にしてきた主人公・香織。一方、中学入学時に日本舞踊から剣道に転向した、もう一人の主人公・早苗。そんな二人の最初の出会いは、地方で開催された中学最後の剣道大会でした。勝利至上主義の香織は順当に試合を勝ち進めますが、4回選で無名の選手(早苗)に敗北してしまいます。

その後、二人は同じ高校に進学して再会することに。ここから二人を中心とした切磋琢磨の青春物語が始まります。サスペンスで定評のある誉田哲也ですが、読後の爽やかさとしては本作がピカイチです。続編として『武士道セブンティーン』『武士道エイティーン』『武士道ジェネレーション』が刊行されています。

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ストロベリーナイト

姫川玲子を主人公に、数々の難事件を解明する誉田哲也人気シリーズの第1作目です。2012年にはドラマ化され、2013年には映画化もされました。
事件はビニール袋に包まれた男性の死体が発見されるところから始まります。そして事件の捜査過程では「ストロベリーナイト」という謎の言葉が浮上。果たして、姫川玲子と個性豊かな捜査員がたどり着いた衝撃の結末とは・・・。スピード感と猟奇的スリルが存分に味わえる作品です。ドラマでしか見ていない方も、ぜひ原作を読んでみてください。

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ソウルケイジ

姫川シリーズの2作目となる作品です。ある日、多摩川の土手に放置された軽自動車から、ビニール袋に包まれた男性の左手首が発見されます。指紋鑑定の結果、左手首は高岡賢一のものと判明。しかし肝心の死体が発見されず、事件は「死体なき殺人事件」として捜査が進められます。高岡の過去を調べるため、高岡の実家近辺の聞き込みを始めた姫川ですが、得られた情報はそれまでの情報と矛盾するものでした。

インパクトの強い『ストロベリーナイト』とは異なり淡々とした作品ですが、「父性」をテーマとした奥深い作品です。

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ブルーマーダー

2012年に『小説宝石』で連載された姫川シリーズ6作目の作品です。筆者の一押し作品でもあります。裏社会で発生した連続殺人事件の真相を解明するストーリーです。スリル満点の展開は言うまでもなく、作品を通して「考えさせられる」という意味では、シリーズ随一だと思います。事件が真相に近づくにつれ「ブルーマーダー」と呼ばれる裏社会のドンの存在にたどり着く姫川と仲間たち。リアリティ溢れる描写が読者に強烈なインパクトを与える秀作です。

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ドルチェ


姫川玲子と同様に、女性刑事・魚住久江が活躍する人気シリーズです。こちらも2012年にドラマ化されています。「誰かの死の謎を解き明かすより、生きている誰かのために捜査をしたい」という信念のもと、魚住は目の前にいる「生きた」人々を助けるために尽力します。本作は全6編が収められた短編集ですが、2作目となる『ドンナ ビアンカ』は長編小説となっています。姫川シリーズとは違った雰囲気の警察小説を読みたい方にオススメのシリーズです。

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ジウⅠ(シリーズ)

誉田哲也が描く警察小説の代表作です。心優しく、天才的な泣きの演技力の持ち主「カンヌ」こと門倉美咲と、筋トレマニア・伊崎基子のデコボココンビが、闇に潜む巨悪に立ち向かうストーリーです。もはや誉田哲也の代名詞と言える、「女性刑事」が活躍する推理小説であると共に、息もつかせぬスピード感溢れる作品となっています。2011年にはテレビドラマ化され、リアルすぎる恐怖感を味わいたい方にオススメの作品です。

『国境事変』を初めとした「ジウサーガ(スピンオフ)」も人気を博しています。

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ハング

こちらも「ジウ」三部作に続く、<ジウ>サーガ5作目の作品です。本作は第12回大藪春彦賞候補にも挙げられ、累計発行部数35万部を超えるベストセラーとなりました。誉田哲也が描く警察小説のなかでも、もっともハードな作品として知られています。警察組織の圧力に争いながらも、事件の真相解明に命をかける主人公・津原英太。ともに捜査していた仲間たちを次々と失うなか、最後にただ一人残された津原が見た真実とは・・・。ラストの結末に驚愕すること間違いなしです。

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世界でいちばん長い写真

誉田哲也のベストセラー青春小説です。ここまで「刑事もの」ばかりを紹介してきたので、最後は青春小説で締めくくりたいと思います。

仲良しだった親友が転校し、寂しい毎日を送る中学3年の主人公・内藤宏伸。写真部に所属する宏伸でしたが、写真を撮る意欲も失うなか、部長の三好奈々から新しい写真を提出するよう厳しく求められます。そんな時、宏伸は大砲のように大きい一つのカメラに出会います。そのカメラは一度シャッターを押すと、360°撮影ができるという不思議なカメラでした。そしてこの不思議なカメラとの出会いにより、宏伸の日々が少しずつ変化し始めます。

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まとめ

いかがでしたか?今回は誉田哲也の経歴やおすすめ作品について紹介しました。誉田哲也の作品といえば、なんといっても姫川玲子シリーズです。テレビドラマや映画が好評だったため、原作を読んでいない方も少なくないと思います。そんな方も、この記事をきっかけに、ぜひ原作に触れて、また違った楽しみを味わっていただければ幸いです。今回紹介した作品以外にも、誉田哲也は多くの魅力あふれる作品を執筆していますので、ぜひご自身のお好みの一冊を探してみてください。

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