出典:[amazon]中原中也全詩集 (角川ソフィア文庫)
詩人として有名な人物に中原中也という方がいます。中原中也は享年30歳と若い年齢で死去されている人物ですが、その中で有名な詩集を残しており、日本の文学に影響を与えた人物です。
ただ、中原中也がどのような有名な詩集を残したのか知らない人もいるでしょう。作品の内容や特徴を知ることで、自分にとっても深い意義を得ることができます。今回は中原中也のおすすめ代表作について内容を紹介しましょう。
中原中也の代表作には何があるのか?
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中原中也は有名な詩集をたくさん残していますが、「どんなものが有名なの?」と疑問を抱き人もいるでしょう。中原中也にはどのような代表作があるのか知っておくなら、特徴を掴むことができるでしょう。代表作には何があるのか紹介しましょう。
春の日の夕暮れ
中原中也の「春の日の夕暮れ」は当時の一作であり「トタンがセンベイ食べて」という意味がよく分からないフレーズから始まっています。古いトタンに風が吹き、まるでせんべいを食べているかのようにバリバリと音を立てることから、このようま描写を行っているようです。
そして、風が止むとことで灰色がかった空にボールを投げるように蒼ざめてゆき、静けさに包まれていくことも描写しています。中原中也の時代はヨーロッパで流行していたダダイズムと言われるものがあり、無意味性や反骨精神などが詩集の中ではよく見られていました。しかし、中原中也のこの詩集は独創的な感性によって描写されており、自分の詩を確立した作品として代表されています。
朝の歌
中原中也の代表作には「朝の歌」と言われるものがあります。これは、4行,4行、3行,3行の全14集から成っているソネット形式の詩となっており、音楽サークルの「スルヤ」の機関誌の中で発表されました。この詩には朝の扉の隙間から溢れてくる光を見つめる主人公の心身を書いています。朝は1日のスタートなので、爽やかで期待に満ちた表現と思えるかもしれません。
しかし、この詩では主人公がまどろみと倦怠感に包まれており、自分を諌めてくれるものが何もないことを嘆いている真逆の内容となっています。主人公が夢を失い喪失感を抱いていることが分かる内容ですが、どこか解放的な一面も覗かせる詩です。朝のイメージとは真逆の内容という常識にとらわれない作品せあったことから、詩人としての評価も高める中原中也の代表作と言えるでしょう。
サーカス
中原中也の作品として広く知られているのが「サーカス」です。こちらの作品は高校の教科書にも載せられており、独特な表現が使用されているためフレーズが記憶に残っている人もいるでしょう。この詩の中には「ゆあーん」「ゆよーん」「ゆやゆよん」と空中ブランコが揺れる様を描いた表現が特徴的です。
歌詞のようなフレーズを詩に用いたことで詩の中に音楽性のようなものが含まれており、ノスタルジーに向かって開かれていく期待と不安がバランスよく表現されています。詩としては独創的で詩人で文芸評論家の人からも高評価を得ているため、この詩は中原中也の中でも特に大きな代表作と言えるでしょう。
汚れつちまちた悲しみに…
この詩集は1929年に河上徹太郎、村井康男、大岡昇平の仲間と共に創刊した同人誌「白痴群」の最終号で記載されました。この詩で特徴的なのは「汚れつちまちた悲しみ」というフレーズを何度も書いていることです。
この「悲しみ」という言葉は文字通りの意味だけではなく、比喩として使用されており、自らの悲しみの宿命に気づくまでの過程を執筆しています。特に「悲しみに小雪が降りかかって縮こまる」という表現は、悲しみは雪が自らに降りかかるイメージと関連づけており、中原中也の心情を理解することができる一文です。
中原中也は自分の家族の死や息子の死など悲しみに合う場面も多く、特に長男の死以後で中原中也は精神的におかしくなり早死にする原因ともなっています。中原中也の悲しみを表現する点で詩集の代表作として言えるでしょう。
中原中也の詩集は独創的なものが多い
中原中也の詩集の特徴は独創的な感性があることです。どの詩集作品にも作者の感性は出ていますが、中原中也の場合は音楽性を取り入れたり、当時ではあまり流行ではない描写方法を使用したりと、画期的な方法を用いています。
また自分の悲しみの表現方法も自然のものを用いるなど、独特な感性によって多くの人たちを魅了しています。中原中也は若くして亡くなってしまったため、もし長生きしていたなら、もっと多くの代表作を生み出していた可能性もあったでしょう。
まとめ
中原中也は多くの詩集作品を提供しています。どれも中原中也の感性が存分に表現されているため、詩集に関心がある、人物像を知りたい人は作品を見てみることがおすすめです。今では詩集大全などで作品を一気に見ることも可能です。ぜひ、1つでも多くの作品をご覧になってみてください。