ビジネスの場面において、顧客から値引き交渉を迫られる機会は誰もが遭遇しているのではないでしょうか。できれば正規の価格で販売をしたいけれども、購入していただけなければ意味がありません。かといって、値引きを繰り返すことで、赤字のまま案件を終わらせてしまうこともあるでしょう。ここでは、ビジネスでの値引き交渉場面において、顧客への丁寧な言い方・コツを解説します。
なぜ値引き交渉をするのか?
相手が値引き交渉を迫ってきた時は、なぜ相手が値引きを望んでいるのかを考えるようにしてください。例えば、明らかな力関係がある企業との交渉の場合、こちらを下に見ている場合があります。口調は柔らかくても、取引を続けたいなら安くしろ、という強迫のような感情が生まれているのです。
また、社内の予算を超えている場合などもあるでしょう。アイミツの相手先がある場合なども考えられます。これらの状況を把握できていないと、値引き交渉に対抗することがより難しくなります。相手の立場になって考えるようにし、場合によっては「○○円以下にならないと稟議が通せない、とかいった理由がありますか?」と直接聞いてしまうのも1つの手です。
値引き交渉への対抗方法
ここからは、値引き交渉をされた時の対応方法についてまとめていきます。
条件を追加する
値引き交渉にそのまま応じるのではなく、こちら側にメリットがある条件を追加する方法です。システム開発や建築などのモノづくりの場面で有効になるのが納期条件の交渉です。モノづくりのビジネスで余裕のある納期設定になることはほとんどなく、推進途中に何かあればすぐにスケジュール遅延になるものが多いです。値引きをすることで納期期限が1週間、2週間と延ばすことができれば、内部のコストを落とすことができるようになりますし、他の仕事を合間に入れることもできるでしょう。
販売においては、ロット数の増加、または継続取引などを条件にすると良いです。ロットが増え、継続利用がお約束できれば、値引きがプラスに働くことになります。条件の追加をあえて自分たちへのメリットへと切り替えることができるようになります。
1回だけの理由を追加する
値引きは、一度応じてしまうと「常にしてくれるものだ」と顧客が勘違いしやすいものです。担当者によっては、前は値引きしてくれたのにと怒り出す人もいるほどです。そこで、値引きの理由を別で作ってしまう方法があります。見積書の明細に良く書かれるものであれば、「初回取引のため値引き」や「キャンペーン中のため値引き」といったものです。値引きの理由を書き、再見積りの時には理由のところを強調して伝えるようにします。これでも再度値引きの交渉をしてくる場合がありますが、その際には「前回は特別だったのです」と伝えれば相手も思い出すでしょうし、強く言ってこなくなる場合があります。
競合相手の見積書を見せてもらう
値引き交渉をしてきた背景に競合業者がある場合は、「競合相手の見積書を見せてください」と言ってしまってもいいでしょう。というのも、こちらの見積が100万円、競合相手側の見積が110万円だったとしても口では「相手の方が安いから」と言われる場合があります。
ただ、まだ人間関係が出来ていない時にストレートに言いすぎると、それだけで商談が流れてしまうこともあります。相手の機嫌を損ねないように注意しながら、本当にその金額なのかを見極めることが重要です。どうしても相手の価格まで落とせないのであれば、潔く引くこともビジネスの場面では大切な交渉になります。
粘るけれども値引きはしない
値引き交渉に応じすぎて、会社の経営がうまくいかなくなった中小企業はたくさんあります。値引きをするということは、自分たちの会社の利益を落とすことになり、つまりは自分の給与を食いつぶしていることにもなります。経営の視点を持っていれば、あっさりと値引きに応じることはできないはずです。値引き交渉はできません、とストレートに言いにくい場合には、「会社でのルールで値引きはできない事になっているのです」と伝えるようにしましょう。
また「上司に相談します」「相談したけどダメでした」などの交渉を何度も繰り返していると、顧客側が折れることがあります。顧客にとっても購入しなければならない期限があるためです。値引きはその場ではしないようにし、一旦持って帰ってまたチャレンジをしてみてください。営業マンとしての姿勢が顧客に伝われば、長いお付き合いをしてくれる友好な関係が築けることもあります。
値引き交渉のまとめ
ビジネスにおける値引き交渉には、顧客の背景を理解し、様々な作戦で対応できるように準備をしておくことが大切です。交渉の場面が増えていけば、自然と相手が考えていることが理解できるようになり、対応方法の引き出しも増えていきます。難易度の高い交渉になれば、その場で回答をせずに持ち帰って上司と相談をするようにしましょう。
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