最近は給茶機やペットボトルなども普及して、応接室に冷蔵庫があるなんていうことも多いので、来客の際にお茶出しをする機会も減ってきたという人も多いと思います。しかし、秘書となると役員の来客でお茶出しをするということもまだまだ多いですよね。今回は新入社員にも役に立つ、正しいお茶出しの仕方やお茶の豆知識をご紹介します。
そもそもお茶出しってなに?
そもそも当たり前のようにやっていますが、お客さんが来たときになぜお茶出しをしなくてはいけないのでしょうか?
お客さんが来たときにお茶出しをする理由は、「わざわざ来てくれてありがとう。喉をうるおしてほっとしてください。」というおもてなしの心が込められているんです。
また、お茶出しは一瞬ですが、お茶出しをする社員の印象がそのまま会社のイメージとしてつながるので、しっかりとマナーを守らなければなりません。
少し前までは女性がやって当たり前というお茶出しでしたが、最近は男性でも新人の場合などはとくにお茶出しをすることがあります。
女性の方が場が和む、雑用は女性がやるものという考えを持っている人は注意が必要です。
男女関係なくお茶出しをする会社は増えてきています。
来客の際の正しいお茶の出し方
お客さんにお茶を出す前に、まずは準備が必要です。
◇お茶の準備
緑茶の場合
まず茶碗にお湯を入れて、茶碗を温めておきましょう。
これは冷たい茶碗にお茶をそそぐとお茶が冷めてしまうからです。
このひと手間が最後までお茶をおいしく飲めるポイントです。
急須にお茶の葉とお湯を入れ1分ほど蒸らします。
緑茶はお湯の温度が高すぎるのはよくありません。
そのため、先ほど茶碗を温めるために入れたお湯を使いましょう!
ちょうど80℃くらいになっているため、お茶の渋みが多く出るのを防げます。
お茶を茶碗に入れるときは一気に入れてはいけません。
一つ目のお茶が薄く、最後に入れたお茶が見た目でもわかるほど濃くなってしまいます。
お茶の濃さが均等になるように少しずつ順番にそそぎましょう。
量は茶碗の七分目程度で!
なみなみでは運んでいる間にこぼれてしまいます。
入れ終わったら茶托と茶碗は別々におぼんにのせます。
茶托にのせると揺れてこぼれてしまい、飲むときに茶托がびしょびしょなのはお客さんも気分が悪いですよね。
このときおぼんに小さめのふきんを添えていくといいでしょう。
運んでいる途中や出すときに少しこぼれてしまったときにふけるので安心です。
コーヒー、紅茶の場合
コーヒーや紅茶の場合もティーカップを温めておくといいでしょう。
コーヒーや紅茶は緑茶と違い温度の高いお湯で入れた方がおいしいので、冷めてしまってはおいしさが半減してしまいます。
コーヒーメーカーなどでコーヒーを落とすときには、少々時間がかかるタイプもあるので、来客時間になる前にすぐ出せるように準備しておきましょう。
一般的にはカップの持ち手は左に、ティースプーンの持ち手は右になるようにセットします。
クリームとシュガーの位置は決まってはいませんが、カップの持ち手を左から右に移動してから飲むため、左にクリーム、スプーンと並行してシュガーを置くといいでしょう。
邪魔にならないように置きましょう。
◇お茶を出すときの手順
おいしいお茶が入れられたら、応接室に行きましょう!
お茶出しのタイミングは、名刺交換が終わり着席してからです。
部屋に入るときはかならずノックをします。
中に入ったあと『失礼いたします。』と言って軽く会釈します。
サイドテーブルまたは応接テーブルの下手側におぼんを置きましょう。
茶碗の底をふきんでふいてから茶托にのせます。
お客さんの一番奥に座っている人(目上の人)から順に出します。
右側から出すのが基本です。
小さい声で『失礼いたします。』と言いながら出すのが基本的なマナーですが、話をしている人の邪魔をしてはいけないので、軽く会釈をして笑顔で出せば大丈夫です。
お客さんを出し終わったら、自社の目上の人から出します。
すべて終わったら邪魔にならないようにすぐに退室しましょう。
扉の前で『失礼いたしました。』と軽く会釈し、ドアから出た後もお客様の方に軽く会釈をしながら閉めます。
お茶の種類の選び方
来客時のお茶出しは温かいコーヒー、緑茶が定番ですが、お茶は季節によって、選ぶとポイントが高いです。
暑いときには、冷たい飲み物があるとうれしいですよね。
夏に冷たい飲み物を出すときには、氷を作っておくのを忘れないようにしましょう。
また、アイスコーヒーにするときは、砂糖やミルクもアイス用に用意するのを忘れずに!
また、飲み物には体を冷やすものと温めるものがあるのを知っていますか?
コーヒーや緑茶は、温かくても実は体を冷やす飲み物なのです。
寒い冬には、身体を温める紅茶やほうじ茶などを用意できるといいですね。
相手が知らない場合には、珍しいお茶が出てきた程度にしか思わないかもしれませんが、お茶の知識がある人は、気が利く人だなと評価が上がるかもしれません。
筆者は、お客さんが来客時に『今日はとても寒いね。歩いてきたから体がとても冷えてしまったよ。』と話していたので、『体が温まるお茶なので先にどうぞ。』とほうじ茶をお持ちしたところ、とても感謝され、上司にも褒められました。
また、上司が『冷たいものを飲みすぎてしまったよ。』と外出先から帰ってきたときに、温かい緑茶をお持ちし、『緑茶は体を冷やすので、温かい緑茶をお持ちしました。』と渡しました。
このようにちょっとした雑学を知っていると役に立つこともありますよ!
正しいお茶出しができる秘書になろう!
秘書は他の部署に比べてお茶出しの機会が多いので、みんなのお手本になるようにしっかりとお茶出しのマナーを覚えましょう。
お茶の種類や特徴まで知っていると、意外と役に立つかもしれません。
こんなこと意味があるの?と思うことでも、一生懸命取り組めば、無駄になることはありません。
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