秘書は秘書としてどのような行動がふさわしいのかを理解して仕事に取り組まなくてはいけません。上司のサポートをする立場にありますが、やってはいけないことなどもあります。今回は上司と秘書の適切な距離感や秘書業務を行うにあたっての注意点を確認していきましょう。
秘書の機能とは?
秘書の位置づけは主に3つあります。
「秘書課所属の秘書」・「個人つき秘書」・「兼務秘書」に分けることができます。
秘書課所属の秘書は日本型と言われ、直属の上司は秘書課長であり、仕事の指示はトップマネジメント(社長・役員)からといった形です。
個人つき秘書とは欧米型と言われ、特定の上司に直属の秘書がつくことをいいます。
兼務秘書とは、秘書が上司と同部署に所属しており、その部署の仕事と上司の補佐を兼務している秘書のことをいいます。
秘書の機能は、上司が経営に関する業務に集中できるように、補佐を行うことです。
上司と秘書の関係!やってはいけないことは?
秘書としての役割を理解し、できることとできないことをしっかりと把握しましょう。
まず秘書は必ず上司の指示や許可を得てから業務に取り組みます。
いくら長年の付き合いの上司でも「たぶん上司はこうするだろう。」といった思い込みで先走ることはよくありません
また「上司の代行」・「越権行為」・「独断専行」にあたるようなことは決して行ってはいけません。
上司が出張などでいないからといって許可もなく、決裁書やその他の書類に代わりに印鑑を押し承認してはいけません。
上司になりかわった来客対応や上司の許可のない日程変更・決定をしてはいけません。
アポイントが入ったときも相手から候補日をいくつか頂戴し、必ず上司に確認してから返事をするようにしましょう。
スケジュールがあいているからといって確認する前に勝手に予定を組んではいけません。
出張や外出など離席が多い上司に、『出かけるときには必ず行先を教えてください!』と強制するようなこともいけません。
会社の経営業務について詳細を教えてほしいというのもやってはいけない行為です。
上司への進言(忠告・意見・ミスの指摘)などは原則的に行いませんが、例外として『健康診断は受けられましたか?』などと体調の気遣いや、忙しいときに『食事をとられましたか?』と食事の時間などを気にかけたりすることはOKとされています。
また上司から『〇〇さんの仕事の仕方はどうか?』と人物評価を聞かれた場合は、事実のみを述べるようにしましょう。
そして悪いことは言わず、なるべく良いことのみを述べるようにしましょう。
上司が悪口を言っていたとしても、一緒に便乗するのはNG!
返答に困ったときは『少し変わった方ですよね。』、『確かに不思議な方です。』などと相槌をうつ程度にするといいでしょう。
上司の私的な依頼にはどうしたらいい?
あらゆる補佐業務を行うことが秘書の役目ですが、公私混同する上司もいます。
これは私的なことでは?と思うこともしばしばあることでしょう。
私的なこともビジネスが多少絡んでいることもあり、実際はなかなか断りづらいこともあります。
秘書である以上仕事として、ある程度私的なことにも対応しますが、やりすぎはよくありません。
特にお金が絡むことは断りましょう。
例えば、『家族旅行に行くから、旅行会社に支払いを済ませておいてほしい。』と言われて、お金を預かり支払うこともあまりよくありませんが、先に預かって払う分には100歩譲っていいとして、お金を立て替えて払うように言われた場合はトラブルの元になりますから絶対にお断りしましょう。
あとから立て替えた分をもらってないのに、忙しく忘れっぽい上司で『この前お金は渡した。』などと言われてしまったら最悪ですよね。(そんなひどい人がいるとは思いたくないですが…。)
私的なお金が絡むとトラブルになりやすいので注意しましょう。
あまりにも私的なことも進んで尽くすと、秘書が変わったときに『私的なことでも前の秘書はやってくれた。』といって新しい秘書が嫌な思いをすることもあります。
逆に自分自身も新しい上司についたときに『〇〇社長のときはこういうこともしてくれたのに、私はダメなのか。』と言われても困りますよね。
周りからも『〇〇社長のときはとても尽くしていたのに、新しい上司になってからひどく態度が違う。』と言われるのも嫌ですよね。
適度な距離感とは人それぞれなので難しいですが、なんでもやりすぎはよくないので注意しましょう。
仕事である以上、どんなときも素直で丁寧で笑顔で明るく振る舞うことができる秘書は上司からも可愛がられますし、周りからの印象もいいですよ。
上司を理解してよりよい人間関係を築こう!
上司の補佐をしていると、自分も偉くなったような気になり、でしゃばる秘書もたまにいます。(実際に筆者も見たことがあります…。)
そのような秘書は上司からも同僚や部下からも印象が悪くなるので、あくまでもサポートしているということを忘れないよう業務に取り組みましょう。
秘書は補佐をする上司によっても対応が変わってきます。
上司を理解していい人間関係が築けるよう日々努力していきましょう!
コメントを残す