司馬遼太郎の作品の特徴及び評価。おすすめ代表作6選

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司馬遼太郎は「司馬史観」という言葉があるほど、有名な歴史小説家で、NHK大河ドラマの原作となった作品数は最も多く7作品に及びます。今回は司馬遼太郎の作品の特徴や評価、おすすめの代表作をご紹介します。

司馬遼太郎の作品の特徴及び評価

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ここでは司馬遼太郎の作品の特徴や評価についてみていきます。

司馬遼太郎の作品の特徴

司馬遼太郎の作品の特徴としては、歴史小説家の中では人物中心主義、つまり登場人物や主人公を中心に好意的に描き、読者にも主人公への共感をもたせストーリーの中へ巻き込んでいく手法をとっていると言われます。

また歴史の大きな流れの叙述の中にゴシップを多用して登場人物を描き、客観的な距離感でユーモアを入れていくほか、「余談だが」から始まる物語とは直接関係ないエピソードや自身の体験談などを散りばめていくのも独特の手法だそうです。

司馬遼太郎の作品の評価

評論家の川本三郎からは「一平二太郎」(藤沢周平、司馬遼太郎、池波正太郎)の一人であり、大人の日本人男子の嗜みとして読むべき作家と評されています。
作品中の人物の内面描写には深入りしないため浅はかな印象があるとされたり、長編の構成力が弱い、や伏線が回収されないなどの評価もありますが、ある程度仕方ないと擁護する意見もあります。

司馬遼太郎のおすすめ代表作6選

ここでは、読んだことがある人もない人も楽しめる、司馬遼太郎のおすすめ代表作をご紹介します。

燃えよ剣

新撰組副長・土方歳三の生涯を描いた作品です。ストイックで喧嘩っ早く、男気あふれる人物として描かれています。剣のうでを磨き、近藤勇・沖田総司らと京へ行き成り上がっていくところから最期の姿までが描かれ、上巻では池田屋事件や禁門の変、下巻では鳥羽伏見の戦い、戊辰戦争が起こります。
臨場感のある会話で、物語が進んでいき、後編では一気に読み進めてしまうスピード感がある作品です。

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竜馬がゆく

タイトルの通り、坂本龍馬にスポットライトを当てた作品で、幼い頃には頼りなかった竜馬が19歳で江戸に旅立っていくところから物語が始まります。土佐に戻り土佐勤王党を結成するものの、武市半平太と袂をわかち、土佐藩を脱藩。勝海舟やおりょうと出会い、軍艦を手に入れて計画を進める中、盟友と出会ったり、竜馬がお膳立てした薩長同盟、大政奉還、そして竜馬の最期へ。
幕末の動乱の中で多くの命が失われていったことにやるせなさを感じつつも、女性に人気があり、妻とは日本史上初の新婚旅行をするなど、飄々とした竜馬の魅力が溢れます。竜馬の最期とその後では余韻が凄まじく、パワーのあふれる全8巻です。

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坂の上の雲

「坂の上の雲」には「雲の上のような存在の欧米列強に追いつき追い越すべく、坂を駆け上がるように日夜奮闘する男たちの姿」という意味が込められています。明治後期が舞台で、登場人物は陸軍の騎兵学校に入学することになった秋山好古とその弟で海戦戦術を極める秋山真之、作家の正岡子規の3人です。戦争の最前線に立つ者とそこから一歩引いて時代を見る者という構図が、他の作品と一線を画していますが、内容は日露戦争がメインとなっています。
日清戦争から日露戦争へと進み、世界の様子の叙述も詳しく知ることができ、中盤〜後半の日露戦争では、戦局が詳しく描かれています。様々な人物が登場し、多くの命が犠牲になる中、いよいよ最終巻でロシアのバルチック艦隊が攻めて来ます。

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世に棲む日日

吉田松陰と高杉晋作が主人公の物語です。師弟関係にある二人で、吉田松陰はストイックで不器用、真っ直ぐなところがあり、討幕を企て軟禁されるものの、私塾「松下村塾」を開いて弟子を育てます。その弟子の一人である高杉晋作は、器用で遊び人でしたが、行動力や志の強さを持っていました。
前半は松陰の活躍から処刑されるまで、後半は松陰の意志をついだ晋作が討幕へと向かっていく様子が描かれています。

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国盗り物語

全4巻からなる、戦国時代を舞台にした小説です。前半が斎藤道三、後半が織田信長を中心に描かれています。そしてこの2人をつなぐ重要人物としての明智光秀が登場します。斎藤道三は野心に溢れた男で「美濃の蝮」と呼ばれるまでにのしあがっていきます。斎藤道三の家臣に明智光秀がおり、斎藤道三の娘である濃姫は織田信長のもとへ嫁ぐことで繋がります。この3人の他にも戦国武将が次々と登場するので、戦国時代を楽しめる作品です。

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関ヶ原


戦国時代の終わりを告げる関ヶ原の戦いを軸に、当時の武将たちの人間模様、心模様を描いています。徳川家康と石田三成の2人を中心に、合戦当日に至るまでの策略や登場人物の心情に引き込まれてしまう内容です。

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まとめ

いかがでしたか?司馬遼太郎の作品はどれも有名で、複数巻にわたる長編でも読破してしまう魅力があります。登場人物の人間味や会話に引き込まれてしまうので、歴史に詳しくなくても読めてしまう作品も多いです。大河ドラマから入るもよし、本を手にとってみるもよし、きっと司馬遼太郎の世界に入ってしまうことでしょう。

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>>司馬遼太郎ってどんな人?その生涯は?性格を物語るエピソードや死因は?

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