お酒の席でコミュニケーションを取ることがいつしか「飲みニケーション」という造語になりました。お酒の席でしか言えない事や、外出が多く普段からコミュニケーションを取っていない人にとっては、部下との貴重なコミュニケーションの場になります。
ただ、最近はお酒を飲まない若者も増え、セクハラやパワハラといった制限が多くなってきています。部下を飲みに誘いにくい上司も増えてきているのではないでしょうか。また、コロナ禍でなかなか飲み会というわけにもいかない事情もあります。ここでは、部下との飲みニケーションのメリットとデメリットを解説します。
飲みニケーションをどう思っているか?
世間的な統計では、6割のビジネスマンが飲みニケーションの必要性を感じています。その理由は、上司との関係が良くなった、言いにくい事も伝えることができた、といった意見が多くあります。6割が満足をしているということは、4割は飲みニケーションに良いイメージを持っていないという事でもあります。ただ上司だけが話すような飲み会の場は、若い人には苦痛でしかなく、人によっては公開説教のようになることもあるのです。上司がまず気を付けなければならないのは、飲みニケーションの場で自分を失うことなく、貴重な時間にする意識を持つことです。
部下との飲みニケーションのメリット
心で会話ができる
お酒を飲むことで、お互いに心は開きやすくなるものです。上司であるあなたは、部下の仕事の悩みをできるだけ聞きだし、適切なアドバイスをしてあげる必要があります。また、場合によってはプライベートな相談に対して人生の先輩としてアドバイスしてあげることもできるでしょう。会議室や面談ルームで二人きりになると、部下も緊張して話せないものです。気を使っている部下の意見には、本当の課題が見いだせないことがあるのです。上司であるあなたにとっても同じことで、上司としてバカなことは言えないと考えているのではないでしょうか。飲みニケーションの場では、部下の話を聞くだけではなく、上司としても「こんな考え方をしているんだ」と伝えてあげられる場になるでしょう。
ノウハウの共有
仕事であるプロジェクトに携わっていると、そのプロジェクトに関連することでしか報連相や会議は行われません。スコープが狭い中で仕事をしているとも考えられます。そのため、今の社会の動きがどうなっているのか、過去にどのような経験をしてきたのかを共有するような場面は出てきません。飲みニケーションのようなフラットな場面では、今の仕事に直接関係のないような話をすることができます。部下の履歴書だけでは知り得ることができなかったような貴重な経験を知ることができるのは、上司としても1ビジネスマンとしても重要なことです。過去にしてきたアルバイトや、恋愛経験などから、引き出しを増やすことができるでしょう。また、今の若者の考え方を知らなければ世間のニーズは分かりません。部下の成長だけではなく、自分も勉強させてもらっている感覚を持つといいでしょう。
部下との飲みニケーションのデメリット
ストレスの蓄積
飲みニケーションを開く上司は、部下の本当の思いを聞き出そうとします。部下が普段から考えている不満を聞き出すことは、かなりのストレスになることがあります。「何甘いことを言ってるんだ」と思ってもそれを口に出せず、一緒に解決策を探りながら心のケアをしてあげなければなりません。楽しいお酒の席であったとしても、チクチクと出てくる不満には、精神的な疲労が蓄積されていくでしょう。そんな時は、前向きに考えることが大切です。上司として、部下の不満をたくさん聞くことも大切な仕事であり、不満があればあるほど、信頼されていることでもあるのです。
予算の問題
上司から誘って開かれる飲みケーションで、全員割り勘というわけにはいきません。全額おごるようなことはしなくても、少し多めに出してあげることが上司としては必要です。飲みニケーションを開くたびに、財布が寂しくなっていく金銭的な負担はどうしても発生してしまいます。予算の問題を改善するためには、開く回数を減らすという事と、会社からの援助を相談することです。部下との飲みニケーションが成果につながっているのであれば、会社に相談をして会議費で負担してもらうのも間違いではありません。
パワハラの問題
「飲みに行こう」と無理に誘うことは、パワハラとして受け取られることがあります。断る部下がいれば、無理に誘わないようにしてください。また、飲みニケーションの場でプライベートについて話したくない部下もいます。ここを追求しすぎると、今度はセクハラとして見られることがあるのです。楽しい飲みニケーションを開いていれば、普段は来てくれない部下も参加してくれるようになるかもしれません。飲みニケーションに誘う時や、飲み会の場では、言動に十分注意する必要があります。
部下との飲みニケーションまとめ
飲みニケーションのメリットとデメリットについて解説してきました。飲みニケーションには、難しい問題もありますが、プラスに働くこともたくさんあります。慣れないうちは、スケジュールを事前に組んでおいて、気軽に参加できる空気をつくり出しておきましょう。
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