仕事で評価をしてもらうためには、自分が取り組んできたことを会社にアピールしなければなりません。評価を受けるための資料は会社によって呼び方が違いますが、「人事考査シート」を年に1回作成して、上司からの評価を受ける方法が一般的です。人事考査シートは、期首に業務上の目標の設定をし、期末に目標が達成できたのかを判断するためのもので、役職が上がれば設定する目標も難しくなっていきます。ここでは、仕事の目標設定をどのようにすれば評価されるのか、という点について、書き方の方法と注意点を解説します。
目標設定は簡単ではない
仕事における目標設定は、簡単な作業ではありません。到底達成できないような高すぎる目標を立ててしまえば、人事考査シートは「未達成」が並ぶようになり、評価が落ちてしまいます。逆に、低い目標ばかりを立ててていては、目標として成り立つことはありませんし、上司が目標を認めてくれません。そればかりか、自らの成長を止めてしまうことにもなりかねません。目標設定はとても重要で、その達成度合いによって昇給や昇格ばかりでなく、賞与の評価にも影響することになります。
目標設定はモチベーションの源になる
目標設定は、評価以外にも仕事に対するモチベーションに影響します。自分で立てた目標に向かって、前向きに取り組むことが出来なければ目標の意味がないのです。設定した目標をモチベーションの源にするためには、立てた目標のプロセスが事前に想像できていることが重要です。
例えば、生産管理チームに所属しているあなたが、「品質を落とすことなく商品検査のスピードを3倍にする」という目標を立てたとしましょう。3倍ということは、これまで1日に100台の検査をしていたところを300台の検査をしなければならないことになります。生産性向上だけでなく、システムを入れ替えたり仕組みを変えたりしなければ到底達成できない数字です。目標を立てている時には何気なく考えていても、やってみたら到底追いつかない目標であることに気付き、早々とモチベーションが落としてしまうことがあります。立てる目標が自分のモチベーションを長く維持できるものにするためには、達成するためのプロセスがある程度想像できていなければならないのです。
途中経過が分かる目標にする
目標は、期首に立てて、期末に結果が分かるものです。しかし半年が経過した時、立てた目標が順調に推移しているのかどうかが分からなければ、正しい目標設定とは言えません。目標は、必ず途中経過が分かるように立てるようにしましょう。
例えば、「年間を通してお客様に満足いただける提案をする」という目標にした場合、半年経過した時の進捗率はどれくらいになるか分かりますか?これでは途中経過が分からず、中間の上司面談では進捗をうまく報告することができないでしょう。お客様に満足いただける提案を目標にしたいのであれば、「お客様が納得するご提案を年間10本する」という目標にしてみてください。この目標であれば、半年でどれだけ達成できているかを把握することができるようになります。
途中経過が分かる目標を立てるのには、もう1つ意味があります。人事考査シートを0点にしないことができるのです。途中経過が分からない目標というのは、人事考査シートでプロセスが見えにくく、0点か100点という極端な評価になりやすいのです。先ほどの例でいえば、10本の提案のうちご納得いただけたのが9本だった場合、評価が0点になるようなことはありません。9本はどのような提案だったのかを認めてもらうことができますし、なぜ1本足りなかったのかを振り返り、次に活かすことができるようになります。目標は高い方が良いと言いますが、しっかりと保険を用意しておくことが人事考査シートでは重要になるのです。
自分が求められている事を整理する
会社における立場や職種によって、求められている成果は違います。立てた目標の内容が会社が求めているものから離れてしまっては、評価されにくくなります。目標を立てる前には、会社に何を求めらえているのかを紙に書き出すなどして整理しておきます。自分だけで分からない場合は、上司に相談をしてもいいでしょう。その際、「どんな目標を立てればいいですか?」という聞き方をするとそれだけで評価を落としてしまいます。相談をする時は、「目標の立て方なんですが、○○が求められていることだと思うので、○○という目標を立てようと思っていますが、いかがでしょう?」と決め打ちの方が良いです。このような質問をすれば、上司はキャリアパスを考えてアドバイスしてくれるようになります。
まだ若いうちは目標が「プロセス重視」になってもいいでしょうが、管理職に近づいていくに連れ、プロセスよりも「結果重視」の目標にしなければなりません。成果が数字として表れるような目標を設定するようにしましょう。
目標設定のまとめ
人事考査シートは、上手く作り上げることで、仕事に対するモチベーションもアップし、評価にもしっかりと繋がっていきます。目標を設定するのは年に1回のことですが、それによって1年間の行動が大きく変わりますので、丁寧に考えるようにしていきましょう。
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