三浦しをんのプロフィール。経歴は?結婚してる?作品の特徴や評判、おすすめ本7選

出典:[audible]墨のゆらめき

『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞を受賞し、2021年に本屋大賞を受賞した『舟を編む』が映画化されるなど、人気作家として知られる三浦しをん。心温まるストーリーや、ユーモア溢れるエッセイなどを多数執筆しており、作品を読んだことのある方も多いのではないでしょうか。近年では手塚治虫文化賞や直木賞の選考委員を務めており、作品の発表以外にもますます活躍の場が広がっています。そんな三浦しをんとは、どのような経歴の持ち主なのでしょうか。今回はおすすめ本を交えながら三浦しをんの経歴などについて紹介します。

三浦しをんのプロフィールや経歴は?


三浦しをんのプロフィールや経歴について紹介します。人気作家・三浦しをんはどのような経歴を辿ったのでしょうか。流麗な文章のルーツはどうやら幼少期に培われていたようです。

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生い立ち

三浦しをんは、1976年東京都に生まれました。父は『古事記』や『日本書紀』などの上代文学の研究者で著名な三浦佑之教授です。父親が学者ということもあり、本に囲まれた環境で育った三浦しをんは、ドイツの作家・ケストナーの作品が大好きで、ケストナーの児童向け作品をすべて読んでしまうほど夢中になって読んだそうです。

ケストナー以外にも、小学生の頃から森鴎外の作品を読むなど、三浦しをんは早くから純文学に関心を示します(作品は理解できなかったらしいですが)。中学に進学すると、泉鏡花や坂口安吾といった作家にも手を伸ばし、『外科医』や『桜の森の満開の下』などの妖艶な作品に惹かれます。また、村上春樹の『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』に衝撃を受けた三浦しをんは、自身でも習作としてハードボイルド風の作品に取り組んだものの、良作とはならなかったようです。

高校卒業後、早稲田大学第一文学部に進学した三浦しをんは、翌年1996年に同学部文学科演劇専修へ進みます。大学4年になり出版関係を中心に就職活動に励んだ三浦しをんでしたが、その活動中、早川書房の入社試験で書いた作文が担当面接官だった村上達朗の目に留まり、早稲田大学在学中に「Boiled Eggs Online」というサイトの読書エッセイ「しをんのしおり」の連載を任されます(作文に才能が現れていたなんて凄いエピソードです)。

エッセイを執筆しながら、出版社や編集プロダクションの面接を受け続けたものの、就職氷河期だったこともあり就職には至らず、大学卒業後は外資系の出版社や東京都町田駅前の古書店「高原書店」でアルバイトをしていたそうです(現在は閉店)。

編集者の勧めで小説家に

就職活動に失敗した三浦しをんでしたが、先述した村上達朗の勧めにより1999年から執筆を始め、2000年4月『格闘するものに◯(マル)』を出版(1年で作家デビューしてしまうところが三浦しをんの凄いところです)。2年後の2004年には『秘密の花園』を出版し、作家としての自覚が芽生えます。そして2005年『私が語り始めた彼は』が山本周五郎賞候補となり、さらに同年7月には『むかしのはなし』が直木賞候補になるなど、三浦しをんは新人作家として注目を集め始めます。

人気作家として

『むかしのはなし』は惜しくも直木賞受賞を逃しましたが、なんと翌年の2006年『まほろ駅前多田便利軒』で第135回直木賞を受賞し、一気に人気作家の仲間入りを果たします。2000年代の三浦しをんは、まさにとんとん拍子に人気作家の道を駆け上がったといっても過言ではないでしょう。直木賞受賞後も『仏果を得ず』や『光』、『舟を編む』などの話題作を発表する他、ユーモア溢れるエッセイを多数執筆するなど、その活躍は現在も続いています。

三浦しをんの作品の特徴は?

青春小説や恋愛小説、特定の職業をテーマとした作品で定評のある三浦しをん。三浦しをんの作品を読むと、小説であるにもかかわらず「実際に実在する世界のような」感覚に陥ります。それは日常を丁寧に観察し、人間の内面的変化や心理描写を巧みに表現する三浦しをんの小説家としての「上手さ」からきているのかもしれません。映画やドラマ、漫画にリメイクされた作品も多いので、小説を読む時間のない方は、それらの媒体で見るのも良いかもしれません。

また、小説以外にも多数のエッセイを執筆している点も、三浦しをんの特徴と言えるでしょう。エッセイは日頃の体験が如実に表現されているため、小説家・三浦しをんとは違った側面を楽しめます。

結婚している?

2023年現在、46歳になる三浦しをんですが、彼女が結婚しているかどうか気になるところですよね。色々と調べてみましたが、結論から言うと、どうやら三浦しをんは独身のようです。周りの友人が次々と結婚するのを見て、「自分は結婚しなくても良いのか」と一時期考えたそうですが、現在は男女関係なく「寄り添える相手がいたら理想の暮らしができる」という考えに変わったそうです。

おもな受賞歴

三浦しをんのおもな受賞歴を紹介します。20代で直木賞を受賞した三浦しをんですが、以降も多くの文学賞を受賞しています。

・2006年『まほろ駅前多田便利軒』・・・第135回直木賞
・2012年『舟を編む』・・・本屋大賞
・2015年『あの家に暮らす四人の女』・・・織田作之助賞
・2018年『ののはな通信』・・・第25回島清恋愛文学賞及び第7回河合隼雄物語賞
・2019年『愛なき世界』・・・日本植物学会特別賞(作家としては初)

三浦しをんのおすすめ本7選

三浦しをんのおすすめ作品を紹介します。直木賞や本屋大賞を受賞した作品も含まれていますので、ぜひ一度読んでみてください。

まほろ駅前多田便利軒

2006年に出版された三浦しをんを代表する作品の1つであり、この作品により三浦しをんは第135回直木賞を受賞しました。また続編として『まほろ駅前番外地』『まほろ駅前狂騒曲』が刊行されています。いずれの作品も映画化、テレビドラマ化された人気シリーズです。

東京の町田市をモデルとした、「まほろ市」駅前で便利屋を経営する主人公・多田啓介と相棒の天行春彦。ペット預かりや納屋の整理などありふれた仕事を依頼されますが、二人が関わるとなにやらきな臭い展開に・・・。多田と天行の二人の痛快なやりとりが魅力的な作品です。

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舟を編む

2009年から2011年に雑誌連載され、2011年9月に光文社から出版された作品です。翌年2012年に本屋大賞を受賞しています。2013年には同タイトルの映画が公開され、2016年にはテレビアニメとしても放送されました。

出版社・玄武書房の営業部で働く主人公・馬蹄光也。周囲から変人扱いされている馬蹄でしたが、大学院で言語学を専攻していた経歴を買われ、辞書編集部に異動することになります。馬蹄は持ち前の集中力と好奇心を発揮し、長い辞書編集作業に没頭しますが・・・。

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風が強く吹いている

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2006年、新潮社から出版された作品です。箱根駅伝を舞台とした疾走青春小説の決定版と言われています。2010年に第1回ブクログ大賞文庫本部門大賞を受賞しており、2020年には新作の舞台化が発表されました。

「箱根駅伝を走りたい」と強く願う主人公の清瀬灰二(ハイジ)は、ひょんなことから天才ランナー蔵原走(カケル)と出会います。そしてハイジとカケルは「竹青荘」に下宿する個性豊かな仲間たちと共に箱根駅伝出場という夢に向かい、懸命に襷を繋ぐのでした。

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あの家に暮らす四人の女

2015年に中央公論社から出版され、本作は文豪・谷崎潤一郎の没後50周年を記念した「谷崎潤一郎メモリアル小説作品」として執筆されました。それに伴い作品には「ざんねんな女たちの現代版『細雪』」のキャッチコピーが添えられています。この作品により三浦しをんは織田作之助賞を受賞し、2019年にはテレビドラマも放映されました。

阿佐ヶ谷の洋館・牧田邸に住む4人の女性の悲喜こもごもが描かれており、三浦しをんの観察眼やストーリー展開の妙が楽しめる作品です。

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天国旅行

三浦しをんが描く珠玉の短編を収めた短編集です。累計40万部を超えた人気作品であり、こちらもドラマ化されています。明るく軽快な作品が多い三浦作品ですが、本作では「死」がテーマとして扱われ、他の作品とは違ったテイストが楽しめる作品です。「死とは何か」を読者に問いかける一方で、それと同時に「生きるとはどういうことか」について考えさせられる作品でもあります。

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むかしのはなし

誰もが知るおとぎ話を、三浦しをん流にアレンジした「現代版おとぎ話」と言える短編集です。「ラブレス、ロケットの思い出、ディスタンス、入江は緑、たどりつくまで、花、懐かしき川べりの町の物語せよ」の7作が収められています。直木賞にノミネートされたことで話題となり、漫画化もされました。

3ヶ月後に隕石が地球にぶつかり、地球が滅亡するという窮地に陥った場合、あなたはどのような行動を取るでしょうか?本書は「今を生きるあなたのための物語」と言われています。それぞれの作品は独立した短編集でありながら、微妙にリンクしている点も興味深い作品です。

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神去なあなあ日常

2007年7月から2008年7月にかけて「本とも」に連載された作品です。2009年、徳間書店より刊行されました。本屋大賞で4位となり、2010年にはNHK-FM放送「青春アドベンチャー」にてラジオドラマとして放送されました。また、2012年には続編『神去なあなあ夜話』も出版されています。林業に生きる人々を描いた本作は、シリーズ累計85万部を突破しており、三浦しをんを代表する人気作といえるでしょう。

高校卒業後の進路を決めかねていた主人公・平野勇気。そんな勇気に対し、担任教師はある就職先を斡旋します。仕事内容もわからないまま、強引に家を追い出された勇気がたどり着いたのは、見渡す限り山が連なる、三重県の神去村と呼ばれる小さな村でした。途方にくれる勇気でしたが、林業を通して次第に村の人々とも交流が深まり、やがて48年に1度行われる「オオヤマヅミ」と呼ばれる神事に参加します。

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まとめ

いかがでしたか?今回は三浦しをんのプロフィールやおすすめ本を紹介しました。就職面接で書いた作文で才能を見出されるなど、人気作家となる人物はやはり普通の人とは才能が一味違うのかもしれません。今回紹介した作品はどれも読みやすく、読んでいて心が温まるストーリーばかりです。まだ三浦作品を読んでいない方は、今回の記事を参考に三浦作品に触れてみてはいかがでしょうか。

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