出典:番組HP
NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にスーパー「さいち」の佐藤啓二さん・澄子さん夫妻が密着されます。ふと気になった理由は、番組テレビ欄の「1日平均5000個売れるおは ぎ!深夜2時から仕込む煮物に大行列」という一文。一見平凡なこのスーパーのどこに強さの秘密があるのかと調べてみました。芸能人じゃないので、断片的な 情報しかなかったのですが、佐藤啓二さんが出版された本に著者紹介がありましたので、そこから抜粋して引用させていただきます。
佐藤啓二(さとう・けいじ)
1935年、仙台市生まれ。仙台・秋保温泉にある小さなスーパー「主婦の店・さいち」(株式会社佐市)代表取締役社長。人口4700人の過疎地にありながら、仙台市内や山形市内だけでなく、全国からひっきりなしにお客様がやってくるお店として有名。経営ノウハウを無料で公開する姿勢を貫き、大企業や大手チェーンほか全国600社超からの視察研修依頼が殺到。イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊氏や、「餃子の王将」(王将フードサービス)の大東隆行社長などもやってきた。
社員15名、チラシなし、レシピなしの常識を覆す戦略で年商6億円。300種超のお惣菜とおはぎが売上の5割を占める。
「カンブリア宮殿」などにも出演された経験があるようです。おそらく小売り系の商売をされている方にはよく知られたお店なんでしょうね。
さいちで研修された会社さんのCMです。
さいちのココがすごい!
惣菜はレシピなし!
さ いちの惣菜レシピは300種類くらいあるらしいのですが、すべて専務の佐藤澄子さんが自分で作った味を社員が出来るようになるまで手取り足取り教えて、出 来るようになったらその料理の担当にするというスタイルだそうです。最初はレシピを作ってやっていたそうですが、味についてお客様からクレームが出たにレ シピのせいにしてしまってたらしいのですが、それを改革するために、その手法に変えたそうです。澄子さんはそのために毎朝12時に起きて準備しているとの こと。インタビューでは、以下のような言葉を社長が述べていらっしゃいます。
レシピがないから逃げ道がない。たと えば、お客様に「今日はちょっとしょっぱかったね」と言われても、レシピのせいにできない。それでお客様から の注意に、心を傾けて反省できるようになった。それがよかった。ある意味、レシピがモノだとすれば、何かを伝えたり受け止めるにも、モノには限界がありま すが、心は無限大です。
出典:http://summit.ismedia.jp/articles/-/468?page=2
売れてても一店舗経営!
さいちは、仙台駅におはぎを出す店舗はあるものの、基本一店舗経営を続けていらっしゃいます。その理由について、インタビューで以下のように佐藤さんは答えておられます。
・素晴らしい条件で、出店のお誘いを受けたこともいろいろありました。ただ、お客様が納得しない と、商売は成立しません。これは一生懸命やったから どうか、ということとは違います。判断の基準はお客様にあります。
・ お客様が納得しないものを出して、それが受け入れられずに、商売が立ち行かなくなるの は、当たり前のことです。ですから、私たちは別に、難しく考えて、1店舗にこだわっているわけではないのです。
出典:http://summit.ismedia.jp/articles/-/468?page=3
シンプルな企業理念・行動指針・誓いの言葉
さいちの企業理念はや行動指針、誓いの言葉は大変シンプルです。でも、気負った感じではないですね。カタチだけの会社が多い中、心に響きます。
<さいちの企業理念>
私たちは、さいちでの仕事を通じて、地域の皆様に物心とものの豊かさを提供します。
<行動指針>
・商品サービス 私たちは常に新鮮な食品と情報を提供します。
・固定客作り わたくしたちは、常にお客様の立場に立って考え、真心を持ってサービスします
・チームワーク わたしたちは和と協調と思いやりの精神で仕事をします。
<誓いの言葉>
私たちは、お客様に笑顔で、心をこめて「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の挨拶をすることを誓います。
まとめ
色々とみていくと、要は、当たり前のことを当たり前にやりましょう。と いうことなんでしょうね。著書やインタビューでも一貫されている姿勢だと思います。さいちもスーパーの安売り競争に巻き込まれて借金まみれになったことが あるらしいのですが、そこからお客様と真摯に向き合った結果、今の境地に行き着いたのだと思います。研修や視察に来られる方も、そのことを再認識して帰っ ていくのではないでしょうか。
筆者も色々と仕事の企画で奇抜なことを考えたりしますが、それは一時的なものと理解しないとダメだなと感じました。テレビでは、夫婦の関係性にもフォーカスして語られるらしいので、楽しみです。
佐藤さんの著書は以下です。興味がある方は参考に読まれてみてはいかがでしょうか?
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