田辺聖子の作品の特徴及び評価。おすすめ代表作5選

出典:[amazon]田辺聖子 十八歳の日の記録

昭和から令和の時代まで長きにわたり筆を取り続けた作家・田辺聖子。その愛くるしいキャラクターから「おセイさん」の愛称で親しまれ、数多くの恋愛小説、エッセイを執筆しました。またその作品の多くがドラマ化され、なかには宝塚歌劇団の舞台となったものもあります。つねに等身大の自分で作品を描き、多くの女性にエールを送った田辺聖子の作品にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、田辺聖子の作品の特徴やおすすめ作品を紹介します。

田辺聖子の作品の特徴や評価

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多くの作品を残した田辺聖子は恋愛小説、エッセイ、古典文学翻訳など、幅広いジャンルを執筆しました。

穏やかな大阪弁で書かれたエッセイ

田辺聖子を代表するライフワークとしてエッセイが挙げられます。91年という長い生涯の中で膨大な数のエッセイを執筆した田辺聖子は、現代を生きる等身大の女性目線で日々の生活や気づきを描き、多くの女性の共感を呼びました。また、優しく穏やかな大阪弁で書かれたその作風は、女心の繊細な移り変わりを捉え、年齢とともに変化する女性の不安や希望などを赤裸々に語る姿は、多くの女性の救いとなっています。

若い人への思いを込めた古典文学翻訳

田辺作品のもう一つのライフワークは古典文学の翻訳でした。少女時代から「古事記」や「万葉集」などの古典文学を愛した聖子は、「新源氏物語」を刊行することで独自の「源氏観」を生み出します。同じく源氏物語を作家が翻訳する試みは、与謝野晶子や谷崎潤一郎、瀬戸内寂聴などが行っていますが、作中の和歌を会話文として表現する点で「田辺源氏」は異彩を放つ作品です。こうした試みには、若者の古典離れが進むなか「若い人に少しでも古典に親しんでもらいたい」という聖子の強い意志が込められています。

女性初の直木賞選考委員を務める

田辺聖子は、日本の女性作家で初めて直木賞選考委員に選出されています。1987年から2004年まで委員を務め、その他山本周五郎賞や小説スバル賞などの選考委員も担当しました。田辺聖子以降、女性作家が直木賞選考委員に選ばれることは珍しくなくなりましたが、女性作家の地位を向上させた点も田辺聖子の大きな業績と言えるでしょう。

90歳まで現役作家

20219年(令和元年)、91歳という大往生でこの世を去った田辺聖子。その執筆活動は亡くなる前年の90歳まで続けられ、生涯にわたり旺盛な執筆活動が続きました。芥川賞を始め、菊池寛賞など生涯で9つの文学賞を受賞し、日本の文学・文化発展のために大きく貢献しました。また田辺聖子が描く恋愛小説や家族小説は、その多くがドラマ化され映像作品としても広く人々に愛されています。

田辺聖子のおすすめ代表作6選

おすすめ代表作を紹介します。どれも読みやすく、それでいて心にスッと染み入る作品ばかりですので、ぜひ一読してみてください。

ジョゼと虎と魚たち

1984年に発表された、田辺聖子を代表する短編恋愛小説です。2003年に俳優の妻夫木聡が同タイトルの映画で主演を演じたことで話題となったため、ご存知の方も多いと思います。
本作の主人公はジョゼと名乗る下半身麻痺のクミ子と、貧乏学生の恒夫(つねお)です。ジョゼは車椅子生活のため1人で外出ができず、祖母も人前に出るのを嫌がる始末。そんな中、ジョゼはある事件をきっかけに1人の貧乏学生・恒夫と知り合います。次第に打ち解けていくジョゼと恒夫。2人の幸せはずっと続くものと思いましたが・・・。

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新源氏物語

雑誌「週刊朝日」において1974年から連載され、後に全5巻として新潮社から出版されました。文学者が源氏物語を訳す「作家による源氏物語」の代表作の一つであり、「田辺源氏」として知られています。エッセイストや恋愛小説家として知られる田辺聖子は「当代随一の
古典の読み手」としても知られており、この作品では「注釈を見ないでも読めるおもしろい読み物」を目指して執筆したそうです。与謝野晶子訳や谷崎潤一郎訳も魅力的ですが、初めて源氏物語を読む方には「田辺源氏」がオススメです。

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窓を開けますか?

1972年に新潮社から出版された恋愛小説です。独身OLの亜希子は2人の魅力的な男性から結婚を迫られます。2人の男性から求められるという揺れる女心を、軽快で明るいタッチで描くラブロマンスです。結婚という枠組みに囚われない「新しい女性像」は当時の女性に大きなインパクトを与えました。

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感傷旅行(センチメンタル・ジャーニー)

1972年、新潮社から刊行された田辺聖子の出世作です。この作品で第50回芥川賞を受賞しています。主人公兼語り手であるヒロシは、15歳以上年上の親友・有以子の奔放な恋愛話を聞かされ、辟易しています。そして新しく聞かされた有以子の相手は、共産党員のケイと名乗る人物。今度こそ本気の恋だと断言する有以子ですが、ケイから別れ話が切り出されると・・・。

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ひねくれ一茶

短歌や川柳も好んだ田辺聖子による俳人・小林一茶の一代記です。膨大な一茶の作品と生涯を紐解き、フィクションでありながらノンフィクションのような、臨場感溢れた一茶像を描いています。作中にはリズミカルに一茶の俳句が挿入され、そのテンポ良さはまさに田辺聖子の手腕と言えるでしょう。

この作品により、田辺聖子は吉川英治文学賞を受賞しています。

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まとめ

今回は田辺聖子の作品の特徴とおすすめ作品を紹介しました。可愛い大阪のおばちゃんというイメージがピッタリの田辺聖子ですが、その作品群は多くの女性の心に寄り添い、笑いあり涙ありの等身大の女性を描き、多くの人々から支持されました。作品数があまりにも多いため、どれから読んだら良いか迷ってしまいそうですが、まずは今回紹介した作品から読んでみて、田辺ワールドに触れてみてはいかがでしょうか。

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>>田辺聖子ってどんな人?その生涯・家族は?性格を物語るエピソードや死因は?

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