内田百閒の作品の特徴及び評価。おすすめ代表作5選

出典:[amazon]第一阿房列車 (新潮文庫)

内田百閒は文学者として数多くの作品を残しています。内田百閒は夏目漱石の門弟としても知られており、81歳で死去するまでに多くの作品を書きました。ただ「どのような作品を残した人なの?」と疑問を感じるている人もいるでしょう。

作品の特徴を見ることでどのような作家だったのか知ることができ、おもしろさや思想、価値観などを考えることができます。内田百閒のおすすめ代表作について内容を紹介しましょう。

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内田百閒のおすすめ代表作を紹介

内田百閒は数多くの作品を残しており、ユーモアを用いた執筆が特徴となっています。いろいろある作品の中でも特に有名で代表的と言えるものがあるため、紹介しましょう。以下のものとなっています。

サラサーテの盤


「サラサーテの盤」は友人の中砂の死後に、妻であるおふさが遺品を回収しに来るようになり、その中にサラサーテのレコードがあります。ただ「私」の家にはサラサーテのレコードが無く、そこから「私」と中砂、おふさの出会いを回想していくという物語です。

「サラサーテの盤」は異様な胸騒ぎがする内容となっており、中砂とおふさの子供であるきみ子が生と死の間に立つ存在として登場します。きみ子が寝ている間に死んだ中砂と会話をしているところがあり、「生と死を媒介する」という性質になっています。

見つけたレコードの中には死んだ中砂の声が入っており、最後にはきみ子の不在が告げられて終わるという話になっているため、全体的に死について書いている物語となっています。独特の擬人法を用いた文章が登場するなど、小説として表現の方法はおもしろいため、1度読んでみることができるでしょう。

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残夢三味

こちらのあらすじは眠ることが大好きな「私」があるとき昼前か夕方か分からない時間に目を覚まし、そこへ有名な踊りの師匠がと知り合いの男がやって来てカオスな空間を作り出します。他にもいろいろな人物がやって来て「私」を混乱させる物語となっています。

この物語は夢と現実が混ざったような世界で展開されており、文脈も時系列もごちゃごちゃしていて読んでいる読者も理解するのが難しい内容となっています。ただ、渾沌とした世界観を小説にして表現しており、違った視点で見てみるとおもしろさを感じることが可能です。

この小説は1969年であり内田百閒が死去した1971年の2年前に書かれた作品です。そのため、小説では生と死の境について書かれた内容とも評価されています。短編小説としてこちらも読んでみることがおすすめの代表作です。

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第一阿房列車

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こちらの作品は語り手の「私」が弟子のヒラヤマ山系と列車旅行へ出かける内容を綴った随筆集です。旅に出る目的が無いにも関わらず、2人は旅に出て要領を得ない軽妙な会話がおもしろさを引き立てる物語となっています。目的が無い旅にも関わらず「私」は1等列車に乗車しているため、タイトルの阿房は「あほう」とふりがなが打たれているのも興味を抱かせるものです。

内田百閒の記載した「第一阿房列車」は鉄道ファンの方に大きな影響を与える作品となっており、「お早く御乗車願います」を執筆した阿川弘之や「時刻表2万キロ」の小説を書いた宮脇俊三らも、この本がきっかけになっているようです。内田百閒の代表作として知られている小説なので、ぜひ読んでみることをおすすめします。

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ちくま日本文学

こちらも内田百閒の代表作として知られており、多くの著名人から名高い評価を受けています。語り手である「私」は果てない原に立ちすくみ半人半牛の姿に生まれ変わっており、予言の能力を得ており、幼少の頃に聞いた化け物に成り代わっていました。

そして、見覚えのある友人や親類たちのような人が予言を耳にするために次々と押し寄せ、見せ物を眺めるかのように遠巻きで見つめます。

不思議な世界観のままで物語は進んでいきますが、最後は考えさせるような結末で終わっており、読み終わった後も再度読み返したくなるような魅力があります。それぞれの読者によって伝えたかった意味も変わってくるなど、小説としてもおもしろさを感じることができるでしょう。

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まあだかい

こちらの作品は内田百閒が還暦を迎えた翌年、大学の教え子らが中心として開催した「摩阿陀会(まあだかい」という祝賀パーティーの内容を綴った内容となっています。このパーティで教え子たちの前でスピーチする内田百閒は偏屈とユーモアを交えており、笑いが含まれている小説です。

教え子たちも内田百閒に劣らず、ユーモアと諧謔を交えて歓待するなど、内田百閒と教え子たちの関係性がよく分かります。元々、内田百閒は教え子たちから好かれていたため、内田百閒の性格や人となりを知りたい人にとってはおすすめの作品と言えるでしょう。

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まとめ

内田百閒の代表作について内容を紹介してきました。内田百閒は名高い作品を数多く残しており、不思議な世界観を綴ったものが多いです。小説ならではのおもしろさを感じることができるため、ぜひ関心があれば読んでみてください。

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>>内田百閒ってどんな人?その生涯。家族は?性格を物語るエピソードや死因は?

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