宮沢賢治の作品の特徴及び評価。おすすめ代表作6選

出典:[amazon]決定版 宮沢賢治 全集 日本文学名作全集

「セロ弾きのゴーシュ」や「風の又三郎」など、誰もが一度は耳にしたことのある作品を多く執筆した宮沢賢治。賢治の作品を読むと「人間にとって本当の幸せとは何か」を考えさせられます。宮沢賢治は、教師、農業者、そして作家として活動し、わずか37歳という生涯に幕を降ろしました。存命中はあまり作家として評価されず、作品の多くは賢治の死後に評価されました。今回は、宮沢賢治の作品の特徴やおすすめ代表作をご紹介します。

宮沢賢治の作品の特徴や評価

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宮沢賢治の特徴は、賢治の思想や人間性を「童話」という形式で表現した点にあります。童話にすることで、子供にも読みやすくなると同時に、大人が子供に「読み聞かせやすい」という手法を採用しました。そうすることで大人も子供も、童話を通して「命について考える」きっかけを与えてくれます。童話作品においては、擬声語を多用しリズム感を持たせているのも特徴で、鈴木三重吉が主催していた雑誌「赤い鳥」に掲載された児童文学とは性質の異なる独自の表現を生み出しています。

そして賢治のもう一つの特徴として、文章の読みやすさが挙げられます。平易な文章で書かれているからこそ読み手にとってダイレクトに内容が伝わり、読者の想像力を掻き立てます。たとえば、賢治の代表作(今回はご紹介していませんが)である「虔十公園林(けんじゅうこうえんりん)という作品は、知的障害を持った虔十という少年の話ですが、虔十が行う行動の一つ一つがわかりやすく表現されており、虔十の素直な心が読み手の感動を誘います。

また、賢治は子供の頃から裕福な家庭で育ったため、貧しく暮らす周囲の人々に対する贖罪感や自己犠牲感を強く抱いていたと言われています。仏教を深く信仰し、菜食主義を貫きながら作品を執筆したのは、そうした贖罪感の表れだったのかもしれません。賢治のもっとも有名な詩である「アメニモマケズ」は、まさに賢治の仏教的思想の集大成であり、賢治の理想的心境を表現したものでした。

宮沢賢治のおすすめ代表作

宮沢賢治のおすすめ作品をご紹介します。「銀河鉄道の夜」は少し長いですが、まだ読まれていない方はぜひ一生に一度は読んでおくことを強くおすすめします。

注文の多い料理店

宮沢賢治が出版した唯一の児童文学短編集です。学校の教科書にも採用されているので一度は読んだことがある方も多いと思います。1904年(大13)、自費出版同然で1000部出版されましたが、ほとんど売れなかったそうです。「注文の多い料理店」は短編集の3作目の作品で、もっとも有名な短編作品の一つです。

「当店は注文の多い料理店ですからどうかそこはご承知ください」という不思議な注意書きのある料理店に、道に迷った2人の青年が入ります。青年たちは店の注文にしたがって扉を進みますが・・・。

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雪渡り

1921年(大10)12月と翌1月に「愛国夫人」に掲載された宮沢賢治のデビュー作です。1994年にはアニメにもなっています。この作品で賢治は、5円の原稿料を手にしましたが、それが生涯で最初で最後の原稿料となりました。

主人公の少年・四郎とかん子が雪の中で遊びながら狐をからかう歌を歌っていると、そこに狐(紺三郎)が現れます。紺三郎は狐の本当の姿を知ってもらうために、四郎とかん子を自分達の町に案内します。そこには多くの狐たちが集まり、幻燈会という不思議な会が開かれます。

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オツベルと象

1926年(大正15)、雑誌「月曜」創刊号に掲載された作品です。「注文の多い料理店」と同様に、中学校の国語の教科書で読んだ方もいると思います。白く美しい象が大地主のオツベルの元に訪れます。オツベルは言葉巧みに象を騙し自分の所有物としてこき使います。
自分の境遇を悲しんだ象は「月」に話しかけると、「月」は仲間に手紙を書くよう助言をします。

すると白象の手紙を受け取った仲間たちがオツベルの元へ訪れ、最後にオツベルを踏み付けにしてしまいます。それを見た白象は「さびしく笑い」ますが、その心情とはどのようなものだったのでしょうか。

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銀河鉄道の夜

いつも1人でいる孤独な少年・ジョバンニと友人のカムパネルラが銀河鉄道に乗って旅をする、宮沢賢治が生み出した不朽の名作です。残念なことに、この作品は賢治の死と共に未完となっています。1924年(大13)頃から執筆が開始され、1931年(昭和6)頃まで推敲が重ねられています。カムパネルラと銀河鉄道に乗って旅をするジョバンニは、さまざまな人と触れ合うことで、「生きる意味」を発見していきます。

私たちが生きる上で、本当に大切なものは何なのか。この作品には、その答えのヒントが書かれているかもしれません。何度も繰り返し読みたくなる作品です。

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よだかの星

1921年頃(大10)に書かれた宮沢賢治を代表する短編童話の1つです。賢治の死の翌年(1934年)に発表されました。ハチスズメや翡翠(かわせみ)の兄でありながら、醜い姿をした「よだか」。そんな「よだか」はどこに行っても仲間はずれにされます。やがて自分が生きるために、他の生き物を犠牲にすることに耐えられなくなったよだかは、太陽に向かって飛び立ちます。

焼け死んで太陽の側にいたいと願うよだかでしたが、その願いは叶わず、今度は星々に同じ願いをします。星々からも相手にされなかったよだかは、誰にも頼ることなく命をかけて夜空に天高く舞い上がります。やがて気がつくと、よだかは美しく輝く星になっていました。

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セロ弾きのゴーシュ

1934年(昭和9)、賢治の死後に発表された作品で、この作品も宮沢賢治を代表する童話の1つです。映画館付きのチェリストのゴーシュ。しかしゴーシュはいつも怒られてばかりで、「第6交響曲」の演奏会が間近に迫るなか、いっこうに上手に弾くことができません。

そんなある日、猫やかっこう、タヌキ、ネズミがやってきてゴーシュにチェロの弾き方を教えます。動物たちに対して最初は冷たい態度をとっていたゴーシュでしたが、やがてチェロの腕前が上がっていることに気がつき、動物たちに謝ります。「第6交響曲」は大成功となり、ゴーシュは聴衆から拍手喝采を受けることになるのでした。

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まとめ

いかがでしたか。今回は宮沢賢治の作品の特徴とおすすめ代表作をご紹介しました。宮沢賢治の作品にはまだまだ名作が多くありますし、小説の他にもすぐれた詩も残しています。宮沢賢治の作品は、どんな世代の方でも安心して読める作品ばかりだと思いますので、この記事を機会に、改めて宮沢賢治の世界に触れてみてはいかがでしょうか。

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>>宮沢賢治ってどんな人?その生涯は?性格を物語るエピソードや死因は?

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