仕事で昇格を続けていくと、時には年上の上司が部下になることがあります。それだけ努力をしたし、成果を出した結果ではあるのですが、年上の上司とは付き合いにくいと感じる人が多いです。これまで先輩と思っていた人に指示を出し、指導をしていかなければならないのですが、年上部下は言うことを聞かないこともあります。これまでは先輩として働いてきたプライドが邪魔をするのです。しかし、年上であっても会社組織においては部下であることに変わりありません。ここでは、年上部下が言うことを聞かない場合の指導法6つについてご紹介します。
①上司が年下であることを意識させない
こちらから見て年上部下ということは、部下から見れた年下の上司になるわけです。年下の上司だからと舐められないようにする必要があります。場合によっては、敬語を使わないのも1つの手段です。ただし、年齢は上ですし、周りの目もありますので、年上部下にタメ口で話すのは難しい事が多いです。そんな時には、上司と認識してもらう行動を起こさせればいいのです。
例えば、報告を日々上げさせるようにして見てください。上司として当然の指示であるため、年上部下が断るのはおかしいことになります。報告は、部下が上司に対して行うものです。日々報告を続けていると、自然に上司である認識を持ってもらえるようになります。また、仕事ができるところを見せるのも効果的です。資料作成の依頼をして添削をしてみると、報告と同じように上司としての認識が強くなるのです。年上部下であっても、こちらが年下であると意識させないテクニックです。
②都合の良い時だけ年下にならない
年下であることを都合の良い時だけ利用しないようにしましょう。分かりやすい例が食事の席です。部下が年上であったとしても年下と一緒に食事に行ったときのように、食事をご馳走してみてください。財布は痛みますが、部下のためにおごってあげることは当然のことでもあります。決して頻繁である必要はありません。例えば、月に1回はランチに誘ってみて、おごってあげるといいでしょう。相手のプライドもありますので、夕食が割り勘になるのであれば、少し多めに出してあげることも大切です。
③弱点よりも強みを見つけて指導する
部下の行いは、ミスや失敗が目につきやすいものです。年上部下の場合は特に「何でこんなことができないのだろう」と考えるシーンが増えます。年下の自分が出来ている事なら尚更、年上部下の弱点が目についてしまうのです。しかし、相手の弱点ばかりに目が行くようになると、上司部下の関係はうまくいきません。部下には年上というプライドもありますし、何より今の年齢から弱点を直すことができない場合もあります。
年上部下を指導する場合は、部下の強みを見つけるようにしてみてください。これまでの経験で鍛えられたストロングポイントを伸ばすことに注力して指導をすると、年上部下も気分が良いですし、実務に活かす場面がたくさん出てきます。年上部下は、自分の強みを見てくれる上司であることを認識し、信頼関係が生まれるようになります。
④過去の経験を褒める
年上部下は、上司よりもたくさんの経験をしてきています。いくら部下であったとしても、自分より多くの時間を過ごしていることには変わりありません。言うことを聞かない年上部下を振り向かせるためには、過去の経験を褒めると良いです。言うことを聞かない年上部下は、仕事に対するモチベーションが決して高いとは言えません。年上部下に尊敬の気持ちを持ちつつ、過去に残してきた実績を褒めてあげることで、モチベーションも維持することができ、仕事が円滑に回るようになります。
⑤叱る時には、はっきりと叱る
上司である以上、年上部下にも叱る時には叱らなければなりません。激しく怒鳴るようなことはせずに、丁寧に叱るようにします。もし、間違いに気づいても叱ることに抵抗がある場合は、更に上の上司に相談をしてもいいですし、年上部下よりも年上の方にお願いするのもいいでしょう。重要なポイントは叱る場所です。年上部下は特にマンツーマンで叱る方が良いです。部内の他の社員に見えないところで叱らないと、年上部下が事象を認めなかったり、急激にモチベーションが下がったりするので注意が必要です。
⑥話を深く聞く
年上部下とコミュニケーションを取ろうと思っても、本音で話してくれないことがあります。「まあまあ、いいじゃないか」と流されてしまうのです。あまり深く聞くのは申し訳ないかな、と話を流された時に諦めてしまうと、信頼関係の扉はずっと開かないままになってしまいます。上司として、年上部下の話はできるだけ深く、そして長く聞くように努めます。年上部下が本音で話してくれるようになれば、こちらの指示も聞いてくれやすい環境ができあがります。
年上部下への指導法まとめ
年功序列の文化が徐々に薄れてきている昨今、年上部下を持つ人も増えてきています。年上部下であっても上司としての指示はしなければなりませんし、同時に相手を尊重する気持ちを忘れてはいけません。やりにくい部分も多々あるかもしれませんが、上記の指導法を試してみてください。
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