気をせずに、顔や手に汗が噴き出す。そして頭にも。やがて額を通じて汗のスジが顔を通って顎からポタリポタリとなってくればどうにかしないとなりませんね。
これは多汗症という「病気」です。ハンカチで押さえる程度でどうにかなれば良いのですが、それでは収まらず、日常生活、特に仕事に差し支えになるようでは「汗っかきでね」ではすみません。治療が必要でしょう。
では、この病気「多汗症」はどんな病気なのでしょうか。
汗の出る理由。出過ぎる原因は?
汗の出る理由は、一般的に体温を一定に保つためと言われています。なぜ人間が体温をほぼ37℃に保つ必要があるかというと、食物の消化吸収などの際に、細胞レベルで使われる酵素が一番活 動しやすいのが37℃だからです。汗などによって体温調節をしなければ、人間の体温はどんどん上昇します。体内で生産された熱と、体外へ放出される熱のバラ ンスがうまく取れていないと体温を一定に保つことはできません。
人間にとって汗をかくということは大事なことなのですが、汗が過剰に出過ぎる原因は交換神経の失調(身体機能の失調)と言われて います。その他に極度の緊張や不安などが原因で汗をかくということがありますが、これは多汗症とは別なものと考えられています。
病気と認定されたのは新しく、1996年に健康保険が使えるようになり、2008年からは厚生労働省の難治性疾患克服研究事業に指定されています。まだ、 この病気が社会的に理解されていないために、本人自身が病気と気づいていなかったり、他人に理解されずにうつ病になったり、社会的な苦痛を受ける場合も少 なくないと言われています。
多汗症と思ったら・・
まずは専門医にみてもらう
なんと言っても、専門医による正確な診断が必要です。勝手な自己判断は禁物です。
残念ですが、この病気のメカニズムは解明されていないのですが、多汗症には全身性のものと手、顔、頭と言った局所性のものがあります。
汗の出る原因が他の 病気によって引き起こされている続発性多汗症の場合は、その元になる病気を治療することで、多汗症を防ぐ事ができます。その元になる病気としては、甲状腺ま たは下垂体の疾患、真性糖尿病、腫瘍、痛風、更年期、特定の薬物、もしくは水銀中毒などがあります。
治療法としては、外用薬、注射、内服薬、通電(電気刺激)を行う、脇の場合の手術、マイクロ波による熱治療等があります。
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汗をかきやすい体質の場合は?
単純に汗をかきやすい体質というケースの場合ですが、汗のかき方によって対策が違います。通常の汗のかきかたには温熱性発汗、精神性発汗、味覚性発汗の3種類があります。
1.温熱 性発汗
体温の調節をするための発汗で、手掌、足底 を除く皮膚の汗腺で起こります。
2.精神性発汗
緊張したときや元々エクリン汗腺をコントロールしている交感神経の活動が高い場合に起こる発汗で、脇・手 の平・足底の汗腺で起こります。
3.味覚性発汗
辛いものや酸っぱいものを食べたときに起こる発汗で、顔面の汗腺で起こります。脇・手の平・足底はちょうど 精神性発汗の部位で、温熱性発汗とは関係なく発汗するので、対策をとっていきましょう。
対策としては、温熱に対しては正しい温度管理や飲食の管理、服装、制汗剤、サプリメント、抗不安薬の内服等があります。またツボ療法など漢方に意外とヒントがある場合もあります。
まとめ
とにかく、今、ダラダラと流れる汗にお悩みの方は、まずはジェルなどで対策するのも一案です。一人で悩まないでくださいネ。
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