人参といえば、スーパーに1本40円程度で売られているあのオレンジ色のとがった野菜のことですが、もともとは中東のアフガニスタン原産でそこから世界各地に広まりました。西洋系の人参はオランダを渡りイギリスへ伝来する際に改良が行われました。
東洋系の人参は中国を経由してアジア各地に広まります。二つの特徴を比べてみると西洋ニンジンは太くてしっかりとしているのに対し、東洋人参は非常に細いです。
これが、日本に初めて伝わったのは、16世紀で当時は、大根と同じく葉と根の部分も一緒に食べていたのだそうです。現在は西洋ニンジンで完全に葉が取り除かれていますよね。ちなみに、明治時代からは根だけ食べるようになりました。
また、江戸時代までは東洋人参を主に食していましたが、栽培が難しさから日本でも西洋ニンジンを中心に食べるようになったといわれています。そんな人参ですが実はダイエット食品として活用することもできるのです。また、当然野菜ですので低カロリーで栄養価も高いわけです。
人参のカロリーや栄養価についてまとめてみた。
さて、人参のカロリーと栄養価ですがダイエットを始めるなら気になるところでしょう。スーパーで売られている一般的な西洋ニンジンのMサイズ1本がおよそ145g程度です。もちろん、微妙に大きさのずれはありますが大体このぐらいと考えてよいでしょう。すると、カロリー(54kcal)、タンパク質(0.87g)、炭水化物(13.05g)となります。人参が太るのではないか?と思われる方もいますがこの時点で太る要素はないですよね。
人参の主な栄養成分(1本当たり) | |||
ビタミン | ミネラル | ||
ビタミンA | 986μg | ナトリウム | 36.25mg |
ビタミンE | 0.73mg | カリウム | 391.5mg |
ビタミンK | 4.35μg | カルシウム | 39.15mg |
ビタミンB1 | 0.06mg | マグネシウム | 13.05mg |
ビタミンB2 | 0.06mg | リン | 34.8mg |
ナイアシン | 0.87mg | 鉄 | 0.29mg |
ビタミンB6 | 0.16mg | 亜鉛 | 0.29mg |
葉酸 | 33.35μg | 銅 | 0.06mg |
パントテン酸 | 0.54mg | マンガン | 0.15mg |
ビオチン | 4.06μg | セレン | 1.45μg |
ビタミンC | 5.8mg | クロム | 1.45μg |
モリブデン | 1.45μg |
他に、食物繊維が3.64g、食塩が0.15gございます。どうでしょうか。特別栄養価が高いとも言えませんが人参と言えば何を想像しますか?そうです。β-カロテンですよね。断トツビタミンA(β-カロテン)が他の栄養成分よりもたくさん含まれているのです。
人参から得られる効果効能について
美肌効果
美肌のビタミンと言えばやはりビタミンC、ビタミンEをイメージされるかもしれませんが、実はビタミンAも美肌効果が期待できるのです。高濃度のビタミンAを皮膚病の治療として使うこともあります。ちなみに、成分表ではビタミンAと記載されていますが食べ物に含まれるものは大体がβ-カロテンになります。
ビタミンAの状態で摂取すると過剰摂取で副作用を訴えることがありますがβ-カロテンの状態であればたくさん摂取したとしても過剰摂取にならず皮膚の粘膜の健康維持として活用できます。余ったものは活性酸素の除去に使われます。そのほか乾燥肌の防止の効果も期待できます。
免疫力の強化
季節の変わり目や、寒い季節は体調を崩しやすくなります。風邪をこじらす、インフルエンザウイルスに感染するなどありますがこれというのは体の免疫細胞がウイルスの毒にやられてしまうのです。活性酸素は悪のように捉えられますが過剰に発生するのがダメなのです。
ウイルスが体内に侵入してきた時は消毒薬として使われるので外敵から身を守る重要な役割を果たします。では、ウイルスに負ける、負けないというのはなにか?気持か?もちろんそれもありますがやはり栄養素がかなり重要になります。
その中でβ-カロテンは美肌効果のところで粘膜を健康に保つとお伝えしました。結局、粘膜が弱るとウイルスがそこから侵入するため病に侵されるのですがそれをブロックするために働いてくれるのです。
抗酸化効果
抗酸化効果といえばビタミンC、ビタミンEが有名ですがビタミンAも強い抗酸化力があります。ですので、紫外線や日常生活で発生させてしまう活性酸素を除去するうのです。活性酸素がたくさん発生してしまいますとDNAが破壊されますのでそこから老化することになります。ですがそれを防止してくれるのです。さらに、もうひとつ強い抗酸化効果が期待できるのがリコピンです。ビタミンEの100倍の抗酸化力といわれているので凄いものですよね。
生活習慣病の予防
β-カロテンは活性酸素を除去しますので高血圧、動脈硬化、糖尿病といった生活習慣病を予防してくれます。血管に脂質が溜まると酸化を起こし過酸化脂質という毒物になるわけですがこれも防止することができるわけです。さらには細胞を活性酸素から守るため癌の予防にも役立ちます。
視力の維持
ビタミンAが不足してしまいますと暗いところでものを見ることが難しくなります。これを夜盲症というのですが、それだけではなく視力を維持するうえでビタミンAは必要です。
人参には直接ダイエット効果は期待できないのか?
はい、人参の成分を見る限り高いダイエット効果があるとは考えにくいです。特にビタミンB群が含まれてるとはいえそんなに沢山は含まれていません。では、にんじんでダイエットすることは不可能なのか?というとそういうわけでもありません。
要するにカロリーが低いという点に注目するのです。たとえば、サラダは極めてカロリーが低いため食前に食べるとか、置き換えダイエットとしても活用することができますよね。これと同じく、人参を食べる代わりに糖質の摂取量を減らせばよいのです。
人参を活用して糖質のの摂取量を抑えればダイエットが成立します。ただ、気をつけていただきたいのが食べ方です。大根にはビタミンCがたっぷり含まれているので人参と一緒に混ぜてしまうのは危険です。
生の人参にはアスコルビナーゼという酵素が含まれているのですがこれがビタミンCを破壊します。もし、生の状態で混ぜたいのであれば事前にそれぞれお酢をかけてから混ぜるなど工夫を凝らすようにしましょう。加熱や酸の力でアスコルビナーゼの効果は一気に減少します。
しかし、やはり一番良いのは加熱+油です。生のままだと吸収率はわずか8%、塩ゆでは47%、油で炒めることで80%にもなります。ですから結果的にβ-カロテンが多い人参を食べるのであれば野菜炒めなどの炒め物に活用するのがベストと言えます。
そういった炒め物を食べる代わりに糖質を減らすことでβ-カロテンを摂取したダイエットを実践することができます。ただ、もし、β-カロテンは直接ダイエットにかかわらないのでそこまでこだわらないというのであれば、生のまま食べるのでも良いです。
サラダに薄くスライスした人参を入れてドレッシングをかけるのもおいしいですからね。要するに、糖質の一部をカットして過剰に摂取しないように気をつけるのがポイントになります。
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